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» 2008年04月07日 11時00分 UPDATE

新「livedoor」トップ、外部ブログにも直リン 「一般人のブログを盛り上げたい」

livedoorのトップページがリニューアルした。一般ユーザーが書く面白いブログに、トップページの目立つ場所から直接リンク。ネットにあふれる“個人の本音”の面白さを広げていきたいという。

[岡田有花,ITmedia]

 ライブドアは4月7日、ポータルサイト「livedoor」のトップページをリニューアルした。ブログ中心の構成にしたのが特徴で、一般人のブログ記事を毎日ピックアップし、トップから直接リンクを張って紹介する。

 大手ポータルのトップページから、一般ユーザーのブログに直接リンクを張るのは異例。「他社と同じことをしていても意味がない」という考えと、「個人の発信こそネット文化」という思いがあるという。

 「ポータルでニュースを見るだけなら、テレビの“下り”の情報を見ているのと本質的に変わらない。ネットは、個人が情報発信できるメディア。一般人のブログの深さと幅広さを見せていきたい」と、同社執行役員の田端信太郎・メディア事業部事業部長は語る。

外部の一般ブログに直リン

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 新トップページ中ほどに、「ブログニュース」のコーナーを新設。時事に関連するテーマを1日1つ設定し、そのテーマに関連する面白いブログエントリーを、livedoor Blog・他社ブログ問わず3本ピックアップして直接リンクを張る。

 トップページ左上には、livedoor Blogから「旬なブロガー」を毎日1人ずつピックアップして紹介。アルファブロガーと呼ばれるような有名ブロガーから無名ながら面白いブロガーまで紹介していく。

 下部にはブログランキングを配置し、livedoor Blog記事のアクセスランキングを10位までを掲載。右カラムには、livedoor Blogで多く使われているキーワードベスト10を掲載する。livedoor Blog更新ボタン「ブログを書く」は、検索窓直下の一番目立つ場所に配置した。

 ニュースの写真をリアルタイムに自動更新する「写真ニュース」や、ワンクリックで投票でできる「世論調査」、毎日更新の「時事ネタ4コマ」、livedoorコンテンツからよく利用するものを選んでアイコンを設置できる「パーソナルエリア」も新設した。

ライブドアへのアクセスの8割はブログから

 国内ポータルはYahoo!JAPANが圧倒的に強く、ライブドアは「MSN」「エキサイト」「Infoseek」などに並ぶ2位グループ。堀江貴文社長時代はヤフーを徹底的にまねすることでアクセスを集めてきたが、「ヤフーと同じことをやっても意味がない」とし、同社の強みであるブログサービス「livedoor Blog」をいかしたいと田端さんは話す。

 livedoor Blogは、国内ブログ黎明期の2003年にいち早くスタート。堀江元社長のブログ「livedoor 社長日記」は多くのアクセスを集めていた。「堀江元社長の遺産が大きかった。自らがブログのヘビーユーザーで、常に『もっと使いやすく、速く』と要求し、どんどん投資していた」

 その甲斐あり、livedoor Blogは、ポータルサイトが提供するブログとしては最大規模に成長。月間ページビュー(PV)は約8億と、同社サービスのPVの7〜8割を占めている。月間ユニークユーザーは約1400〜1500万人、ブロガーは約240万人に上る。

 ただ、ブログを見にきたユニークユーザーのうち、livedoorトップページにもアクセスする人は1割以下。この巨大なトラフィックをトップページにも循環させたいというのが、リニューアルの狙いの1つだ。現在、トップページの1日当たりページビューは100〜120万程度、UUは40万程度だが、3カ月後にはそれぞれ20%増を目指す。

ブログ=芸能人じゃ気持ち悪い

 芸能人ブログがマスメディアにもよく取り上げられ、自社の芸能人ブログへの誘導を強めているブログポータルも多い。だが「ブログ=芸能人、となっている最近の流れが気持ち悪い」と田端さんは話し、一般人の発信媒体としてのブログをアピールしていきたいという。

 「一般の人が書いたブログで、マスメディアよりもはるかに詳しいものや、面白いものはたくさんある。だが、ネットのライトユーザーで、友人以外のブログを定期的に見ている人はほとんどいない」と田端さんはみている。そんな人にもブログの面白さを知ってもらい、ブログを盛り上げていきたい――リニューアル最大の狙いは、そこにある。

 「例えば、サブプライム問題を解説するにも、一般紙の経済記事よりずっと深く、詳しく解説していたり、池田信夫さんのブログのように、テレビでは扱えない電波利権の問題を詳しく論じるブログもある。ワイドショーでコメントしている中途半端なコメンテーターより正確で面白いものも多い」

画像 田端さんと、リニューアルの実務を担当した、メディア事業部-インフォメーションメディア部ポータルGマネージャーの松浦茂樹さん。松浦さんは「とんがったところを主張し、ブログ文化を盛り上げていきたい」と話す

 「ブログニュース」では、時事ネタを扱う堅いブログだけでなく、季節に合った内容のブログや、ワンテーマを突き詰めたブログも紹介していく。例えば、全国の桜の見どころをめぐるブログを桜の季節に紹介したり、豚のしょうが焼きをひたすら食べ続けているブログを紹介したり、などだ。

 面白いブログは手作業で探す。ソーシャルブックマークサービスの人気ブログエントリーなどをそのまま引っ張ってくるという手もあるが「そういった場で人気になる記事は、一般ユーザーからするとピンとこないものが多い」ため。それに「なんでも自動にしようという流れがあるが、ほかと同じことをやっても面白くないから」だ。

 個人ブログにトップページから直接リンクすることには、社内でも反対意見があったという。社外のブログの場合は自社サイトへのページビュー増につながらない上、個人ブログの内容には間違いがあるかもしれず、内容に問題があった際はlivedoorポータルそのものへの信頼にかかわる可能性もある。「それは悩ましいが、ユーザーのリテラシーを信じたい。テレビや新聞が伝えられないこと、みんなに報じていくべきことを、伝えたい」

 新聞社などから配信を受けている一般のニュースも、トップページの最も目立つ場所に残した。「現状、トップページにくる人の8割はニュースを見に来ている。ブログシフトはまだ道半ばだが、ニュースで情報を得ながら、ニュースに関連するブログを見つけて読んで“裏事情”を知ったり、世論調査に参加してもらえれば」

ブログ事業、すでに黒字化

 ブログ事業が昨年秋に黒字化し、トラフィックを集めれば集めるほど収益増につながるようになったことも、トップページのブログシフトの要因だ。

 主な収入は、有料版からの課金収入と、コンテンツマッチ広告「AdSense」、企業がブロガー向けにサンプルを提供したりイベントを開いたりし、自由にブログを書いてもらう「ブロガーリレーション広告」で、それぞれ同じぐらいの売り上げがあるとう。特に伸びているのはAdSenseとブロガーリレーション広告だ。

 「ブロガー向けのマーケティングといえば当初は、ブロガーにプレスリリースを送り、キーワードやURLなどを指定して記事を書いてもらって報酬を支払う――というものが多かったが、そういった形は下火になってきた。今は、影響力のあるブロガーにいかに書いてもらうかという段階に入っている」

 ナショナルクライアントもブロガー向け広告に積極的になり始めているという。田端さんは、自動車など“若者離れ”が問題になっている分野が、ブログ広告に向いていると話す。「自動車メーカーは『車が売れない』と嘆いているが、広告出稿しているメディアはテレビや専門誌で、専門紙記者を温泉に連れて行って接待したりしている。だが若者はテレビも専門誌も見ていない」

ブログ文化を盛り上げたい

 トップページのブログシフトを強めることでブログが活性化し、最終的には収益増につながることを狙っている。ただ、「これですぐにもうかるかというと、そうでもないと思う」とも話す。

 「一般の人が発信できるというのがネット文化上、大事なことだと思う。堀江元社長もそうだったが、身も蓋もない本音を言えるのがネットの面白さ。一般の人のブログ文化を盛り上げていきたい」

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