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» 2008年04月08日 16時45分 UPDATE

新興のMokaFive、「サービスとしての仮想デスクトップ」を発表

NSFとスタンフォード大学の研究チームによって設立されたMokaFiveは、急成長中のデスクトップ仮想化市場にターゲットを据えている。

[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 新興企業の米MokaFiveは4月7日、企業向けのデスクトップ仮想化サービス「MokaFive Desktop Virtualization」を発表した。

 この新サービスは、各種OSが稼働する何千台もの仮想デスクトップを管理し、セキュリティ関連の主要な問題をリモート操作で解決できるよう顧客企業を支援するための「サービスとしての仮想デスクトップ」の提供を目指したもの。このサービスに採用されている技術をめぐっては現在、15件の特許を出願中という。

 またこのサービスでは、ユーザーはステータスをオンラインからオフラインにシームレスに切り替えられる。

 この新サービスはデスクトップ仮想化にとって新たな復活を意味するものだ。デスクトップ仮想化のアイデアは1960年代から70年代にかけてメインフレームで誕生して以来、これまでに何度か変容を遂げており、90年代にはシンクライアントに移行し、最近ではオープンなエンタープライズシステムで再び復活を果たし、そして現在、サービス指向のソリューションとして新たな命をスタートさせようとしている。

 「われわれはクラウドコンピューティングとGoogle方式の優れた要素にノートPCやデスクトップPCのローカルな処理能力を組み合わせることで、コストの掛かる昨今のデスクトップ管理の最大の悩みであるオフラインとオンラインの切り替えの問題を一気に解決できるようにした」とMokaFiveの社長兼CEOビル・デマス氏は声明で語っている。

 デスクトップ仮想化は「デスクトップPCが存在する物理的なロケーション」と「ユーザーが実際にそのPCにアクセスするロケーション」との分離を可能にする。デスクトップが仮想化されている場合、キーボード、マウス、ディスプレイなどの操作は通常、デスクトップの遠隔プロトコルを介してネットワークにリダイレクトされる。

 MokaFiveは仮想マシン用に「LivePC」と呼ばれる特許出願中の新しいフォーマットを採用している。LivePCには、デスクトップOSのほか、Sun Rayシンクライアントアーキテクチャをベースとしたアプリケーションスタックが含まれている。なおSun Rayの開発に参加したSunの共同創設者ビノド・コースラ氏は現在MokaFiveの取締役会の一員だ。

 現在、仮想デスクトップソフトウェアパッケージの多くは静的な仮想イメージに限定されており、1台のサーバで限られた数のユーザーしか管理できない。

 「それに引き換え、LivePCでは最新のイメージが動的に提供され、1台のサーバを介して最大数千人のユーザーがそのイメージを使用できる」とMokaFiveの広報担当者シャンタル・ヤン氏は説明している。

 同氏によると、IT管理者はMokaFiveにより、Windows、Macintosh、Linuxで動作する文字通り数千台もの仮想デスクトップを組織内で管理できるという。

 またLivePCにより、ユーザーはUSBメモリを使って、どのPC上であれ、自分のコンピュータの状態を一時停止にしたり再開したりできる。つまり、LivePCはオンラインでもオフラインでも実行でき、PC上でスピーディに起動できるだけでなく、セキュアな方法でUSBメモリにも格納でき、ネットワークやインターネットを介して自動的にアップデートも行える。

 MokaFive Desktop Virtualizationはクロスプラットフォーム性とOSの柔軟性を備え、自動アップデートが可能なほか、スパイウェアやマルウェアの被害に遭った場合でもRejuvenation技術によって自力で回復できるようになっている(ルートキットやゼロデイ脆弱性攻撃など何かしらのセキュリティ脅威にさらされた場合でも、ユーザーはLivePCをシャットダウンし、再起動するだけでいい)。

 Gartner Groupによると、デスクトップ仮想化市場は現在急速に成長中であり、「2006年にはOSやハードウェアの仮想化技術を使っているPCは500万台以下だったが、その数字は2011年までに6億6000万以上に急増する見通し」という。

 またアナリストは、PCの仮想化技術は向こう2年以内にほぼすべてのデータセンターと大半の家庭やオフィスに浸透するだろうと予想している。

 「将来のエンタープライズデスクトップコンピューティング環境において、PCの仮想化技術はますます重要な要素となっていくだろう」とIDCのアナリスト、マイケル・ローズ氏はeWEEKの取材に応じ、語っている。

 「MokaFiveの最大のメリットの1つは、エンドユーザーの機能性を犠牲にすることなく、セキュアな携帯性を実現してくれる点だ」と同氏。

 「そのため、セキュリティに関して重大な問題を抱えている組織や規制コンプライアンスの問題を抱えている組織にとって、MokaFiveの技術は大いに役立つことになるだろう」とさらに同氏は続けている。

 MokaFiveは米カリフォルニア州レッドウッドシティに拠点を置いている。同社は4月8日にサンフランシスコで開催されるIDC Virtualization Forumで会社の発足と新サービスを正式に発表し、4月10日にはカリフォルニア州パロアルトのSAP研究所で初めて公開デモンストレーションを行う予定だ。

 新サービスはスタンフォード大学における10年以上に及ぶ研究をベースに開発されたもの。この研究には米国立科学財団(NSF)も出資している。

 Sunの共同創設者のコースラ氏は仮想化技術にも精通しており、MokaFiveの主要な支援者の1人だ。このほかMokaFiveの支援者には、元Oracle社長のレイ・レーン氏、Veritasの共同創設者で現在Xsigoの幹部を務めるマーク・レスリー氏らも名を連ねている。Xsigoはデータセンター向けのI/O仮想化ソフトウェアを手掛ける会社だ。

 MokaFive Desktop Virtualizationは現在、30日間の無料トライアル版が提供されている。同社広報担当者のヤン氏によると、一般リリースは2008年第2四半期中に予定されている。

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