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日本海か東海か――Google Earthが海洋名の記載方針を発表

» 2008年04月10日 08時17分 公開
[ITmedia]

 米Googleが公式ブログで、Google Earthでの海洋名の表記方法に関する方針を明らかにした。今後、地名の呼称の決め方や国境の位置の定め方、一部の地域や場所の画像が不鮮明になっている理由などについても説明していくという。

 複数の国々が接する海洋の名称をめぐって合意できない場合、Googleはほかの地図製作会社同様、綿密な調査を実施する。「太平洋」など、大半の海洋は一般的な名称を持つが、地域や文化によって異なる名称で呼ばれているものもある。単に言語の違いによって異なる場合もあるが、日本側では「日本海」、韓国側では「東海」と通称されるなど、政治的、歴史的、文化的な論議を呼んでいるケースもある。

 Googleは地理的参照ツールを発行する立場から、国際的な地理的論争問題において、どちらか一方の肩を持たないとしている。この立場を守るため、「Primary Local Usage」方針を制定した。

 この方針により、Google Earth英語版は、その海洋に接する主権国において「主に、また一般に使われる地域名」を表示する。接するすべての主権国が名称に同意している場合、1つの名称のみが表示されるが、名称について国家間で合意が成立していない場合、それぞれの名称が海洋の各国沿岸近くに表示される。

 また2つの名称がある場合、テキストボックスをクリックすると詳細な説明が読めるようにした。例えば「黄海(北京語)」「西海(ハングル)」をクリックするとそれぞれの説明が表示される。

 また英語以外のバージョンでは、その言語で用いられいてる名称のみが表示されるようにした。例えば日本語版Google Earthでは「日本海」とのみ表示され、韓国語版では「東海」とのみ表示される。このケースでも、クリックすると名称に関する政治的論議が表示されるよう設定されている。

google 日本語版で表示した「日本海」

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