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ケンウッド、カーエレOEMが不振で下方修正 構造改革へ

» 2008年04月16日 14時55分 公開
[ITmedia]

 ケンウッドは4月15日、2008年3月期の連結業績予想を下方修正し、経常利益が従来予想比14億円減の36億円にとどまる見通しだと発表した。カーエレクトロニクス事業のOEM分野が自動車販売の低迷などから不振で、同分野の構造改革に着手する。

ケンウッドの株価チャートケンウッドの株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 売上高は従来予想から180億円減の1650億円。自動車市場の低迷に加え、純正品の装着率が予想以上に伸び悩み、期初計画を大きく下回った。市販分野が好調だったが、稼ぎ時の3月に一部新製品の供給が追いつかず、OEMの落ち込みをカバーしきれなかった。急速な円高も影響した。

 損益では為替予約効果などから円高の影響は軽微だったが、減収の影響から営業利益は63億円(従来予想は83億円)、純利益は30億円(従来予想は40億円)にそれぞれ下方修正した。ただ、前期比では増益を確保した。

 カーエレの市販分野では、PND(Portable Navigation Device)最大手Garminとの協業が寄与して好調な上、経営統合を計画している日本ビクターとも協力していく。ただ、不振のOEM分野では、自動車販売の低迷と純正品装着率の低下が中期的にも続く見通しのため、構造改革を断行して抜本的な損益改善を図っていく。

 具体的には、OEM分野の開発リソースの一部を他の領域に転換し、開発コスト負担を軽減する。また同分野の国内主工場・長野ケンウッドの生産量が大幅に減ることから、同社と無線機器の国内主工場・山形ケンウッドを合併。長野ケンウッドのOEM分野製造ラインを縮小し、製造担当者を配置転換や早期退職制度で130人程度削減する。

 生産子会社の合併後新会社は、グループの「生産技術センター」と位置付け、「日本のものづくり」をコンセプトにグループ工場を牽引する役割を担うとしている。

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