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OmniVision、“逆転”の手法でCMOSセンサーの画質を向上

» 2008年05月28日 07時32分 公開
[ITmedia]

 CMOSイメージセンサーを手掛ける米OmniVision Technologiesは5月27日、新たな手法を使ったCMOSセンサーアーキテクチャ「OmniBSI」を発表した。

 OmniBSIはバックサイドイルミネーション(BSI)と呼ばれる手法を使っており、画質を向上させると同時に、画素サイズを0.9マイクロメートルまで縮小することが可能になるという。

 BSIはセンサーを逆さまにして、これまでセンサーの裏側だった部分を使って集光するという手法。従来のフロントサイドイルミネーション(FSI)センサーは、光を電子に変換するために必要な金属層や誘電層を複数置いていることもあって、感光部分に届く光の量が限られている。しかしBSIは層の並びを逆にしたため、金属層や誘電層が感光層の下に配置され、光が画素により直接的に届くという。これにより、OmniBSIはFSIと比べて感度が高く、画素間のクロストークも少ないなど、画質が向上しているとOmniVisionは述べている。

 同社はこの手法を用いて1.4マイクロメートルのBSI画素を構築。この画素の性能は、同じサイズのFSI画素、またほとんどの1.75マイクロメートルFSI画素を超えるという。同社は800万画素のOmniBSIセンサーをデモしており、6月中に最初の製品のサンプル出荷を開始する見込み。

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