「iPhone独壇場の時代は終わった」――イー・モバイルの千本倖生CEOは6月10日、携帯電話端末新製品発表会見でこう述べた。新製品は、タッチパネルとテンキーを搭載した台湾High Tech Computer(HTC)製スマートフォン「EMONSTER lite」(S12HT)を含む2機種。iPhone 3Gの登場で活気づくタッチパネル携帯端末市場に、HTCとのタッグで攻め込む。
「今朝、iPhone 3Gの発表があったが、iPhone独壇場の時代は終わったと思っている」と千本社長は言う。理由は(1)iPhoneの成功を見た世界の強力なキャリアが、タッチパネル搭載端末を今後続々と投入していく、(2)2G版iPhoneで採用されていた、Appleとキャリアが通信料金を分け合うレベニューシェアモデルは、オペレーターにメリットがない――ためだ。
「世界のタッチパネル端末はiPhoneだけではない。Apple以外のあらゆるメーカーがタッチパネル端末を出してくるだろう。EMONSTER liteを開発したHTCは、世界のスマートフォンシェアの9割を占めている。iPhoneの何倍も何十倍も売ってる強力なベンダーが、タッチパネル端末にいくのは間違いない」
レベニューシェアモデルについては「オペレーターにほとんど利益が生まれず、オペレーターにとって共存し難いビジネスモデル。世界最大の端末メーカーであるNokiaですらやってないモデルだ。それが今後のモバイル業界で生存しうるモデルなのかというと、個人的には疑問だ」と話した。
新端末は、タッチスパネルを搭載したHTC製「EMONSTER lite」(S12HT)と、シンプル機能で端末価格を抑えた、中国Huawei Technologies 製「H11HW」の2機種。それぞれ下り最大3.6Mbpsのデータ通信に対応する。
EMONSTER liteは、2.6インチ(320×240ピクセル表示)のタッチパネルと、スライド式テンキーを採用し、Windows Mobile Professionalを搭載したスマートフォン。200万画素カメラやBluetooth 2.0+EDR通信機能も備えた。
HTC独自のユーザーインタフェース「TouchFLO」を搭載し、直感的に操作できるのが特徴だ。薄さ15.8ミリで「キー入力付きタッチパネルスマートフォンとして国内最薄」としている。3月に発売した「EMONSTER」と異なり、QWERTYキーボードは備えていない。7月上旬発売で、価格は後日発表する。
「H11HW」はブガッティの高級車を意識してデザインしたというシンプル機能の2つ折り端末。200万画素カメラ、テレビ電話機能、音楽プレーヤー機能などを備えた。
「われわれの大きなポイントは料金だ」――H11HWは、2年契約なら購入時の一時金は5980円で済み、購入後の割賦支払いも不要という低価格が売り。6月14日に発売する。
「日本の携帯戦争の1つの盲点は、高止まりしている月額利用料。世界と比べてどれだけ高いかということがメディアにも書いていない。これを変えなくては」と千本CEOは話し、29歳以下の新規契約者の月額料金を割り引くキャンペーンも発表した。
また、世界57地域に1分36円で国際電話をかけられる「イー・モバイル国際電話」も7月1日に開始する。申し込み不要で利用できる。
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