「日本の携帯市場はまだ飽和などしていない」──イー・モバイル 千本会長(1/2 ページ)

» 2008年02月26日 12時00分 公開
[園部修,ITmedia]

 「これまでの料金体系を一挙に覆す、圧倒的にお得なケータイプラン」──。2007年3月31日から、13年ぶりの新規参入携帯電話事業者として、HSDPAでのモバイルデータ通信サービスを開始したイー・モバイルが、1年の準備期間を経て、“基本料金0円”の音声サービスをスタートする。

 新サービスは3月28日から提供予定で、3月1日から予約の受け付けを開始する。発表会の冒頭で挨拶したイー・モバイルの代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏は「今後モバイルの中心になる高速データサービスをベースに、音声サービスを付加する。イー・モバイルのサービスは、データ通信サービスを音声サービスの上に付加しようとしている既存の携帯電話事業者とはまったく逆の、世界の一歩先を行くサービスだ」と胸を張った。

音声もデータも利用できる真のブロードバンドケータイ

Photo イー・モバイル 代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏

 千本氏は「EMモバイルブロードバンド」サービスをスタートしてからの1年間、どうしたら世界のモバイルブロードバンド市場で、日本が、そしてイー・モバイルが1番になって世界を引っぱって行っていけるか考えてきたという。その答えが、今回発表した“衝撃の電話サービス”だ。

 「既存の携帯電話事業者は、音声サービスを中心とした事業モデルを採用しており、音声サービスの上にデータサービスを付加しようとしている。つまり、“まずは電話の基本料金ありき”になっている。しかも、通話を安くしようと思ったら、高い基本料金のコースに入る必要がある。高い基本料金を払えば通話料や通信料が安くなる、という構造になっている」(千本氏)

 しかし、今や携帯電話事業で爆発的に伸びているのは音声ではなくデータ通信であり、これからのモバイルサービスは、その中心が音声からモバイルデータ通信、そしてブロードバンドデータ通信へと移っていくと千本氏は断言する。その中で、いち早くシンプルで安い料金で音声通話を提供するのがイー・モバイルの「基本料金0円」の音声サービスだ。

 「音声通話は、誰もが必要とするサービス。携帯電話のコンテンツの中で、音声はどんなコンテンツよりもすばらしいコンテンツだといえる。そのキラーコンテンツである音声は、イー・モバイルでは使った分だけ料金を支払ってもらう、シンプル、透明、安心で納得できるサービスとして提供する。基本料金は0円として、長年続いてきた日本の携帯の常識を打ち破る」(千本氏)

 新たに発表されたイー・モバイルの料金プランは、「ケータイプラン」と「ケータイプランデータセット」の2種類。同時に発表されたHTC製のスマートフォン「EMONSTER S11HT」と東芝製の音声端末「H11T」の2機種で利用できる。

 ケータイプランは音声の基本料が無料で、携帯電話/PHSあての通話が18.9円/30秒、SMSが2.1円/1通で利用可能。また同プランでは、月額基本料の1000円でデータ通信が2万3825パケット(約3Mバイト)まで無料で利用できる。2万3825パケットを超えた分は1パケットあたり0.042円の従量課金となり、14万2400パケット(約17Mバイト)以上は4980円の定額だ。

PhotoPhoto ケータイプランの音声通話基本料金は0円。ただしパケット定額料金があらかじめセットされており、最低料金は月額1000円からとなる

 さらに、月額980円の「定額パック24」を契約すれば、イー・モバイルの携帯電話どうしで、発信者がイー・モバイルの自社サービスエリア内にいた場合、24時間通話が無料になる。

PhotoPhotoPhoto 追加オプションの「定額パック24」を契約すると、イー・モバイル間の通話が24時間無料になる。また他社携帯あての通話も30秒9.45円、固定電話やIP電話あての通話も30秒5.25円と業界最安値レベルを達成。携帯電話として破格の価格設定だ(ただし発信がイー・モバイルサービスエリア内の場合に限る)

 ケータイプランデータセットは、すでにイー・モバイルのデータ通信カードや「EM・ONE」「EM・ONEα」などを利用しているユーザー向けのプランだ。データプランの契約と同一名義でケータイプランに契約し、請求を統合した場合に適用される(日割り計算が発生しない暦月から適用。1日以外の月途中での契約や解約がある場合は適用なし)。音声の基本料が無料であるだけでなく、データ通信の月額基本料も2万3825パケット(約3Mバイト)まで無料というお得なプランだ。2万3825パケットを超えた分は1パケットあたり0.042円の従量課金となり、14万2400パケット(約17Mバイト)以上は3980円の定額となる。

PhotoPhoto すでにデータ通信カードを契約しているユーザーには、パケット定額料が0円からになる「ケータイプランデータセット」を提供。純粋に使った分だけの課金となる

 このデータセットのいいところは、端末代金を一括払いで購入すれば、音声通話をまったく使わなかった月は、一切追加料金が発生しない点。すでにデータ通信サービスを利用しているユーザーが、ちょっと使ってみようかな、と思ったときに抵抗が少ない。また、こちらも月額980円で定額パック24を契約すれば、イー・モバイル契約者間の通話は、発信者がイー・モバイルの自社サービスエリア内にいた場合24時間無料になる。

日本の携帯電話市場はまだ飽和していない

 「イー・モバイルの音声サービスは究極のペア携帯。月額1980円で、イー・モバイル間の通話が24時間いつでも無料になる。データ通信カードとセットなら、電話は980円で24時間無料だ」(千本氏)

 イー・モバイルがこうした料金プランで音声サービスを開始する背景には、千本氏の「日本の携帯電話市場はまだ飽和していない」という持論もある。今後のモバイルサービスはデータ通信が主流になるとはいえ、ウィルコムやソフトバンクモバイルが、自社端末間の通話が無料になるような料金プランを提供したことで、家族や友人、恋人がペアで2台目端末を購入するケースが急増しており、日本ではまだ携帯電話の契約は増えていくと考えている。

 実際、世界各国における携帯電話の人口普及率を見ると、日本はまだ79.6%で50位だという。世界にはルクセンブルグ(人口普及率151.9%)や香港(同129.8%)、イタリア(同123.0%)のように、普及率が100%を超える国がたくさんあることを挙げ、千本氏は「日本でもまだまだ携帯電話の契約は伸びていく。日本の携帯電話市場が飽和しているというのは、間違った認識だ。さまざまな特徴を持った画期的携帯サービスが登場することで、新たな使い方や新たなニーズがどんどん創造されていく。日本にはまだその余地が大いにある」と力説した。

 「ケータイユーザーは、今の携帯電話に満足しているか? 多種多様な割引サービス、有料のサポートプラン、割賦販売方式、ポイント制度など、複雑怪奇な料金体系を、日本の消費者は本当に理解して使っているのか? よく分からないまま使って、高額な請求書に愕然とするのが現状だ。私は、何とか日本、真の意味で国際競争に打ち勝てる、世界一の携帯国家にしたいと思っている。そしてイー・モバイルにはそれができると深く確信している」(千本氏)

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