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“放電なしで光る蛍光灯”、松下電工など開発

» 2008年07月09日 07時00分 公開
[ITmedia]

 松下電工は7月8日、「ナノシリコン電子源」を使い、放電なしで発光するデバイスを世界で初めて開発したと発表した。水銀を使って気体を放電させる従来の蛍光灯と異なり、放電なしで水銀も不要なため、高効率で環境にも配慮した照明器具への応用が期待できるとしている。

 東京農工大学大学院工学府・越田信義教授との共同研究で開発した。

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 通常、シリコンから電子は出ないが、ナノレベルに加工することで電子を放出するナノシリコンの特性をいかした。電圧を加えたナノシリコン電子源が、高エネルギー電子をキセノンガス中に放出することで、キセノン分子を直接励起。発生した紫外光が蛍光体に当たり、可視光に変換されて発光する──という仕組みだ。

 通常の蛍光灯は、電極間の放電で流れる電子がガラス管中の水銀原子と衝突−紫外光発生−蛍光体に当たる──という仕組みで発光している。

 新方式では放電なしで発光させるため、理論的には蛍光灯の発光効率・100ルーメン/ワットを上回る150ルーメン/ワット以上が期待できるという。高効率かつ、水銀も不要という環境配慮型の照明への応用を目指し、特性向上のための技術開発を続けるとしている。

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