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コンセプトは「公式黙認」――「ニコニ・コモンズ」運用スタート

» 2008年08月18日 08時23分 公開
[ITmedia]
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 コンセプトは「公式黙認」――ニワンゴは8月15日、「ニコニコ動画」などで2次利用できる画像・動画・音声作品の投稿サイトと利用ルール「ニコニ・コモンズ」の運用を始めた。自分の作品を登録して使ってもらったり、登録作品を利用して新しい作品を作ったりすることができる。

 18日までに多くの作品が投稿されており、「こもんちゃん」というニコニ・コモンズをイメージしたキャラクターが人気。運営サイドからは「がくっぽいど」の画像・音声素材や、「ポリリズム」(Perfume)のMIDIファイルなども公開されている。

 画像や動画、音声作品を投稿したいクリエイター(プロ・アマ問わず)は、営利目的利用を許可するかどうかと、利用をニコニ・コモンズ対応サイト(現時点では「ニコニコ動画」と「pixiv」)に限定するかどうかを決めて作品を投稿。投稿作品には「ニコニ・コモンズID」が割り振られる。

 利用を許可する条件は、具体的には「非営利目的利用に限定」「営利目的も許諾」「営利目的利用には別途許諾が必要」と、「インターネット全体に許可」「ニコニ・コモンズ対応ウェブサイトに限定」をそれぞれ組み合わせ、計6種類から選ぶことになる。これ以外のルールを付記することも可能。ライセンスの有償提供によるビジネスも制限しない。

 ユーザーは、登録された作品をダウンロードし、ほかのコンテンツと組み合わせるなどして新しい作品を作り、利用条件に応じてニコニコ動画や個人サイトなどで公開できる。

 公開する際は、利用した作品のニコニ・コモンズIDを付記することが必要。IDはニワンゴ側のサーバで一元管理しており、作品の登録日や変更履歴、ダウンロード数、ダウンロードしたユーザーの情報も把握できるため、クリエイターは自分の作品から派生した作品を追跡できる。

 JASRAC(日本音楽著作権協会)に信託された楽曲を独自に演奏した素材も投稿できるが、ダウンロードは有料の「プレミアム会員」限定で、1日最大10作品まで。

 公序良俗に反する利用や、関係者の名誉を害するような利用、著作者が設定した利用条件に反する利用はできない。公序良俗に反すると認められる作品は事務局が削除。権利侵害作品も権利者からの申し立てなどに基づいて削除する。

 同社は「クリエイター同士の交流とコラボレーションの場を提供すること、安心して2次創作活動が行える場を提供すること、作品の利用を促進する場を提供することが目的」としており、今後、対応サイトや対応するファイルの種類を増やしていく予定だ。

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