「やることがない仮想空間は廃れるが……」――スクウェア・エニックス(スクエニ)の100%子会社・スマイルラボは、2D仮想空間「Nicotto Town」(ニコッとタウン)を9月末に一般公開する。Second Lifeなどの仮想空間サービスは下火だが、充実したアバターアイテムやカジュアルゲームなどでユーザーに楽しんでもらい、“廃れない”仮想空間を目指す。
Flashベースで構築し、Webブラウザで楽しめるサービスで、ユーザー限定でα版を提供中。アバターを着替えさせたり、チャットしたり、カジュアルゲームをプレイしたり、ブログを書くことができる。
「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」などスクエニのゲームをプレイしない女性や若年層のユーザーが主なターゲット。スマイルラボと提携して集客などを担うニフティには、30〜50代中心の「@nifty」ユーザーより若い層にアプローチしたいという狙いがある。
Second Lifeのような仮想空間サービスは「何をしていいか分からない」「名所を回りつくすとやることがなくなる」といった理由で廃れがちだが、「ニコッとタウンはあくまで“仮想空間付きコミュニティー”という位置付け」と同社の伊藤隆博社長は話す。
「やることがない仮想空間は廃れる。従来の仮想空間サービスは人気がないが、ニコッとタウンはアバターを披露したり自慢するための場として使ってほしい」
ユーザーは、アバターでおしゃれして街を歩いたり、出会ったユーザーとテキストチャットしたり、「マイルーム」で家具をそろえたり、ペットのアバターに話しかけたりすることができる。空は時間によって夕焼けや夜空に変わったり、雨が降ったりもする。
トランプゲームなどのカジュアルゲームで1人遊びや対戦も可能。正式版開始時には5種類のゲームを用意し、10月にはスクエニが開発したパズルゲームも加える予定だ。ブログを更新することもでき、閲覧はニコッとタウンのユーザーでなくても可能だ。
収益はアバターアイテムの有料販売や、仮想空間内への広告掲載、アバターシステムを他社に提供する――といった方法で得る計画。USEN、RealNetworsJapan、NHN JAPANなどで、音楽、動画、ゲームに携わった経験を持つ伊藤社長は「動画や音楽などのデジタルアイテムの販売と比べ、アバター課金の方が利益率が良い」と話す。
アバターデザインにも力を入れる。「洋服は縫い目まで再現するクオリティー。アパレルメーカーから、実際の洋服を再現したアバターアイテムを提供したいといった声もあった」
正式版公開時には、アバターの洋服やアクセサリー、マイルーム用のいすや机など1000点以上をそろえる予定。来年には携帯電話版サービスも公開するほか、海外展開も検討している。
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