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Android SDKからのAPI削除、Googleが理由を説明

» 2008年08月27日 10時57分 公開
[ITmedia]

 米Googleは8月25日、携帯電話アプリケーション開発キット「Android SDK」のバージョン0.9からGoogle TalkとBluetoothのAPIを削除した理由を説明した。

 同社は19日にAndroid SDKのβ0.9をリリースした際に、GTalkServiceとBluetoothのAPIを削除した。Android 1.0 SDKにもこれらAPIは含まれないという。

 GTalkServiceは、Google Talkの友人リストに登録した相手とインスタントメッセージをやり取りするための機能。このAPIを削除したことについて、Googleは「根本的なセキュリティの問題」が幾つかあるためとし、3つの理由を挙げている。1つ目は、Google Talkでは友人の電子メールアドレスや、時には本名も分かってしまうが、Androidユーザーがそれを望まない可能性があるため。例えば、モバイル用MMO(大規模オンラインゲーム)など、ユーザーが匿名でメッセージをやり取りしたいケースもあるという。

 次に、Androidデバイス内でIntent(メッセージ)を送信する設計になっているため、ほかのデバイスからIntentが送られてきた場合に、それを送信したアプリケーションが確認ができないという問題がある。「ローカルで使うよう設計されたIntentシステムは、リモートプロシージャコール(RPC)の媒介手段として適していないと判断した」と同社は述べている。

 3つ目の理由は、当初のGTalkServiceの設計では、セキュリティ問題の回避やユーザー管理などをアプリケーション開発者が行うようになっており、負担が重くなることにある。GTalkServiceを使ったAndroidアプリケーションに欠陥があった場合、Google Talkに登録された悪意ある「友人」やマルウェアに悪用される恐れがある。それを自動的に防ぐための技術を、最初のAndroid端末の登場に間に合うよう導入するのは不可能だとしている。

 ただしGoogleはこの種の機能を断念したわけではなく、最初のAndroid端末が登場した後の優先課題として、高速でセキュアなデバイス間メッセージ送信機能の開発を挙げている。

 またBluetooth APIを削除した理由については、「単に時間がなかった」と説明している。Googleは「開発はかなり進んでいるが、SDKに盛り込めるようになるにはまだ作業が必要」とし、今後のリリースにBluetooth API組み込むつもりだと述べている。Bluetooth自体はAndroidバージョン1.0と第1弾のAndroid端末でサポートされるため、Android端末でBluetoothヘッドセットなどを使うことは可能だという。

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