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「何かが起き始めた」――Xbox 360、“値下げ+国産の大作”で年末商戦へ攻勢

» 2008年09月01日 19時50分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 テイルズ発売前後のXbox 360販売台数推移

 「これまでの道のりは平坦ではなく、順調とは言えなかったが、今までにない何かが起き始めている」――マイクロソフトの泉水敬・ホーム&エンターテイメント事業本部長は9月1日に開いたXbox 360の戦略発表会でこう切り出した。

 Xbox 360は国内で苦戦が続いていたが、RPG「テイルズ オブ ヴェスペリア」(8月7日発売、バンダイナムコゲームズ)の人気が追い風となり、主力モデルが品切れになる「予想を超えた反響」(泉水氏)に。ハード販売は数倍に増えたという(Xbox 360品切れ 「テイルズ」人気で)。

 年末商戦に向け、9月11日から最廉価モデルを1万9800円と“Wii未満”の価格に値下げ。「スターオーシャン 4」など国内メーカーの大作を武器に攻勢に出る。

最安モデルは「Wii以下」に

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 Xbox 360は、「Wii」や「プレイステーション 3」(PS3)に約1年先駆けて2005年12月に発売し、今年6月末までに全世界で2000万台出荷した。だが国内の累計販売数は68万4695台(8月24日時点、エンターブレイン調べ)と振るわず、Wiiの666万6860台(同)、PS3の231万8077万台に遠く及ばない。

 本体の値下げで購入のハードルを下げ、販売をてこ入れする。HDDを搭載しない「アーケード」は8000円値下げし、Wii(2万5000円)より安価な1万9800円に、通常版はHDD容量を従来の20Gバイトから60Gバイトに拡大した上で、現在より5000円安い2万9800円に、120GバイトHDDを搭載する「エリート」は、8000円安い3万9800円とする(Xbox 360、最安1万9800円に値下げ)。

「スターオーシャン 4」など国産タイトルで攻勢

 Xbox 360のヒットタイトルは米国で人気のアクションゲームなどが主流。日本のユーザーが求めるRPGなどが少ないと指摘されてきたが、秋から来年にかけて国産の大作を投入し、巻き返しを図る。

 スクウェア・エニックスは人気RPGの最新作「スターオーシャン 4」をXbox 360専用ソフトとして発売。「インフィニット アンディスカバリー」「ラスト レムナント」も投入する。フロム・ソフトウェアの新作「NINJA BLADE」は、Xbox 360専用ソフトとして登場する。

画像 NEW Xbox EXPERIENCE

 国産人気ゲームの続編も。バンダイナムコゲームズからは「ガンダム無双2」が、カプコンからは「ストリートファイター IV」「バイオハザード 5」が、コナミデジタルエンタテインメントからは「ワールドサッカーウイニングイレブン2009シリーズ」が発売される予定だ。

 年内にXbox Liveのユーザーインタフェースや機能を一新。「NEW Xbox EXPERIENCE」としてWiiの「Mii」のようなアバター機能や写真共有機能を追加し、カジュアルユーザーにもアピールしていく。

「台風の目になりたい」

 マイクロソフトは06年、07年の年末商戦期にもXbox 360を実質値下げしている。06年にはソフトをセットにした割安な「コアシステム」を発売し、Wiiより安いとアピール。07年には標準モデルを約5000円値下げしたが振るわなかった。

 今回は、いわゆる次世代機としては最安値という思い切った低価格に設定した上で国産の大作ゲームを引っ下げ、「テイルズ」が吹かせた追い風に乗って出陣。「ゲーム機の台風の目になりたい」と泉水氏は述べ、4度目の年末商戦で巻き返しを図る。

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