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意外だったオオカミの好物

» 2008年09月03日 07時06分 公開
[ITmedia]

 オオカミはシカなどを狩って食べる習性を持つ肉食獣だ。しかし、カナダのビクトリア大学とレインコースト環境保全協会の共同研究によれば、サケ(シャケ)が手に入るときには、狩猟を減らしてシーフードにするという結果が出た。狩猟よりも「釣り」の方を好むというわけだ。

 ビクトリア大学のクリス・ダリモント氏が率いる調査団はカナダのブリティッシュ・コロンビア州3300平方キロにおけるオオカミの生態を4年間にわたり調査。オオカミが食べた獲物の残骸や体毛の化学構成などから、季節における食べ物の変化を調べた。

 1年のほとんどの時期において、一般的な予想通りにオオカミはシカの肉を食べる傾向にあるが、サケが入手可能になる秋になると好みが変わるという。その時期にシカの数が少なくなるからではない。

 研究者は、オオカミがサケを好む理由を、狩猟に比べて獲物が安全に得られることと、脂肪分やエネルギーなどの栄養面でメリットがあることと考えている。

 しかし、このサケの生態系も、乱獲や産卵環境の破壊などにより危機にひんしているとの警告をこの研究は発している。

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