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フルカラー3Dプリンタ、さらに大きな模型も可能に 「ZPrinter」新製品

» 2008年11月17日 07時00分 公開
[ITmedia]
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 米Z Corporationの日本法人・Zコーポレーション ジャパンは11月14日、石膏(せっこう)の粉を接着剤で固めて立体模型を作れる3Dプリンタの新製品「ZPrinter 650」を発売した。業務用製品で価格も898万円と高価だが、今後は「値段を抑えて一般の人が購入できるような製品も作りたい」と同社の宇野博社長は考えている。

 PCから転送された3Dモデルのデータを元に、フルカラー(24ビット)の立体模型を作る。造型エリアのトレイに、石膏粉を厚さ0.089〜0.102ミリに敷き詰め、インクと接着剤をインクジェットで吹き付けて固める。その上に石膏粉を敷いて、インクと接着剤を吹き付け――という作業を繰り返し、固めた石膏の薄い層を重ねていくと、模型が完成する仕組みだ。


画像 完成した模型は粉に埋もれた状態になっている
画像 模型を粉の中から取り出すところ

 新製品の造型可能サイズは254(高さ)×381(幅)×203(奥行き)ミリと、同シリーズで最大。複数の模型を同時に制作することもできる。高さ10センチの模型を作るのに約4時間かかるが、他社製品に比べ5〜10倍速いという。

 プリントヘッドは新たにブラックを加え、合計5つ搭載しており、従来よりくっきりとした黒色が再現できるようになったという。解像度は600×540dpiで、他社製品の2倍以上といい、精密な模型や小さな模型も製造できるとしている。


画像 ZPrinter 650で制作した模型
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 ZPrinterは、家電製品の模型を作って新製品の開発に役立てたり、自動車部品などを作ってデザインや形状を検証するといった用途に使われている。米国では3D仮想空間「Second Life」のアバターをZPrinterで制作するサービスを提供している企業もある。

 最近は建築物の模型を作って顧客に見せるといった例が増えており、従来より大型の模型を作れる新製品を建築業界向けに訴求していきたい考えだ。

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