石膏(せっこう)の粉にインクと接着剤を吹き付けると、自動で立体模型が完成――カラーデザインの展示会「COLOR SESSION 2008」(4月12日まで、東京ビッグサイト)で、3Dソフトやプリンタの開発を手がけるDICO(東京・江東区)が、世界初というフルカラー3Dプリンタを展示している。携帯電話の模型を作ってデザインの参考にしたり、骨の模型を作って医療の現場で役立てたりしている。
出展した「ZPrinter 450 System」は、石膏の粉を使い、PCから転送された3Dモデルのデータを元に、立体模型を作る立体プリンタだ。
造形エリアのトレイに、石膏粉を厚さ0.089ミリに敷き詰め、インクと接着剤をインクジェットで吹きつけて固める。その上に石膏粉を敷いて、インクと接着剤を吹き付け──という作業を繰り返し、固めた石膏の薄い層を重ねていくと、立体模型が完成する仕組み。3Dモデルを輪切りにし、下の層から固めて積み上げていくイメージだ。
Zprinter 450 Systemは254色を再現でき、同社は「世界唯一のフルカラー3Dプリンタ」だとしている。造形スピードも最速レベルといい、カラーではない従来品から5〜10倍に高速化。8(高さ)×8(幅)×4.8(奥行き)センチの模型なら、2時間で完成する。価格は880万円。
昨年4月に発売し、70台を販売した。携帯電話や車をデザインする際の試作品を作ったり、骨や臓器、歯の模型を作って、手術前にシミュレーションするのに使われている。
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