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不況が追い風に 比較サイトのユーザー増加

» 2008年12月01日 13時53分 公開
[ITmedia]
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 矢野経済研究所が12月1日に発表した比較サイト市場規模の調査結果によると、今年度(2008年4月〜2009年3月)の同市場規模は前年度比27.4%増の245億6500万円となる見通しだ。不況を追い風に、更なる利用者の増加が期待されるという。

 9月から11月にかけて16事業者と面談したほか、文献調査も併用し、その結果を分析した。対象は、価格比較サイトや商品検索サイト、一括見積サイトなど、複数店舗の商品やサービスを一括して比較・検索できるサイト。

 来年度の市場規模予測は304億2000万円と、今年度から23.8%増える見通し。経済が落ち込むなか「良い商品やサービスをより安く手に入れたいという心理はますます強まると考えられ、比較サイトの利用が促進される」としている。Eコマース市場の伸張などを背景に「比較サイトに対するニーズは今後無くなることはない」とも指摘する。

 比較サイトへの参入企業は年々増加している。背景に、商品検索サイトのように特別な技術開発が必要な場合を除き、ページ作成が容易で低コストで開始できることや、コンテンツ連動広告やアフィリエイトから収入を得られるなど、参入へのハードルが低いことを挙げる。

 各サイトは取り扱い分野を拡大しており、今後は金融商品や人材派遣、引っ越しなど非物販系商品と、物販系商品の双方を扱う総合型サービスへ移行するサイトが増加するとみている。

 比較コンテンツを持たないサイトが比較サイトからシステム提供を受けてサービスを始めるケースも増えており、今後もこの傾向が続くと指摘。「さまざまなシーンで比較サービスを利用できるようになるため、ユーザーに更に浸透することが期待される」としている。

 調査結果をまとめた資料は「比較サイト市場の動向と今後の展望 2008年版〜事業者の戦略と実態〜」というタイトルでこのほど発売した。A4版204ページで、価格は12万6000円。

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