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» 2009年02月02日 14時14分 UPDATE

著作権問題は? 放送禁止用語は? ニコニコ動画とテレビ局が探る連携の道 (1/2)

「テレビでございます、と杓子定規に言っている場合ではない」――tvkはニコ動と連動した番組「ニコバンYME」で、ニコ動との連携の可能性を探っている。

[岡田有花,ITmedia]
画像 ニコバンYMEのコメント募集企画「ニコニコ タイムショック」より

 「ニコニコ動画」とテレビの連携の可能性を探るべく、神奈川県のローカル局・テレビ神奈川(tvk)が昨年12月、「ニコバンYME」という番組をスタートした。番組をニコ動で先行公開し、付いたコメントごとテレビで放送したり、ニコ動で募集した動画をテレビ放送するといった取り組みを行っている。

 「すごいパワーだ」。tvkのデジタル事業部長の鈴木邦彦さんは、番組に付いたコメントの量を見て圧倒されたという。著作権への意識や放送禁止用語の有無など、ニコ動とテレビ番組の違いに戸惑い、壁にぶつかることも多いが、「杓子(しゃくし)定規に『テレビでございます』と言っている場合ではない。ニコ動との相互作用を生かさないと」と前向きだ。

「ニコ動は、テレビ局と共存しないと共倒れ」

 ニコ動では、テレビ番組などの無許諾アップロードが問題になってきた。「ニコ動との連携は、放送業界ではタブー視されている面もある」と、ニコ動をtvkに紹介した博報堂DYメディアパートナーズの上路(じょうじ)健介さんは言う。

 ニワンゴ社長の杉本誠司さんは「ニコ動は、テレビ局と共存していかないと共倒れになる」と考え、多くのテレビ局と著作権問題で話し合ったり、ニコ動活用を提案してきたという。

画像 左から鈴木さん、杉本さん、上路さん

 “著作権侵害サイト”の汚名を返上しようとニワンゴは昨年、「無断投稿されたテレビ番組をすべて削除する」という内容の申し入れ書をNHKと在京キー局に提出するなど対策に本腰を入れてきた(ニコ動「テレビ番組の無断投稿は全削除」とテレビ局に申し入れ)。「テレビ局には『著作権侵害は沈静化できるが、ゼロにはできない。対策の成果が出てきたところでニコ動を場として使ってください』と話してきた」(杉本さん)

 テレビ関係者の意識はどうなのだろうか。鈴木さんは、「テレビ局が一番問題視しているのはYouTube」で、ニコ動にはあまり抵抗がない」と話す。「YouTubeも面白いとは思うが著作権の問題で活用は難しい。ニコ動はYouTubeとの対比ととらえており、著作権保護への認識もある」と、鈴木さんはニワンゴの取り組みを評価する。

インディーズバンド番組で権利問題を回避

画像 鈴木さん

 鈴木さんがニコ動活用の検討を始めたのは、元岩手放送でネット関連事業を手掛け、現在は博報堂DYメディアパートナーズで放送やネット関連の事業に携わる上路さんからの紹介がきっかけだ。「ニコ動のパワーのすごさを分かってくれるテレビ関係者は、デジタル放送を推進してきた鈴木さんしかいないと思った」と上路さんは振り返る。

 鈴木さんは以前から、デジタル放送や携帯電話を生かしたコンテンツ作りに取り組んできた。データ放送で県内全市町村の情報を配信しているほか、携帯電話サイトと連携した番組を早くから実験。ニコバンYMEの前身のインディース音楽番組「YME」(YOKOHAMA MUSIC EXPLORE、毎週土曜日午後11時45分〜12時)は、デジタル放送スタートに合わせた実験的な番組として2004年に放送を始めた。

 インディーズを取り上げたのは、県内で地道に活動するバンドを応援し、メジャーに育てたいという思いに加え、楽曲の権利処理を考えてのこと。携帯サイトで楽曲をダウンロード配信する際、レコード会社などに所属する前のインディーズなら権利処理が比較的簡便に行えると考えたためだ。

 YMEでは、紹介したインディースバンドの楽曲ダウンロードのほか、楽曲のイメージと合う写真を携帯電話から送信してもらい、プロモーションビデオを作るといった試みも行ってきた。

「ニコ動らしさ」と放送禁止用語の“衝突”

 鈴木さんと上路さん、杉本さんで話し合い、YMEでニコ動と連携することが決定。番組名は昨年12月、YMEから「ニコバンYME」に改称し、公式チャンネルも開設し、「ニコニ・コモンズ」で映像や楽曲素材を公開してインディーズバンドのPVを募集したり、スポンサーのアニメ映画「チョコレート・アンダーグラウンド」の予告編を投稿してもらい、番組で放送するという企画を行ってきた。

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