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子どもも「携帯フィルタリング必要」 高校の5割が「ネットパトロールしている」――文科省調査

» 2009年02月26日 11時02分 公開
[ITmedia]

 文部科学省は2月25日、子どもの携帯電話等の利用に関する調査結果を発表した。携帯電話向けの有害サイトフィルタリングサービスを「必要」と考える子どもが7割を超えているなど、携帯サイトの問題点を認識している子どもが多かった。

 調査は昨年11月21日〜12月15日にかけ、全国の小学6年生、中学2年生、高校2年生とその保護者と小中高校に対して郵送で行い、子ども1万448人、保護者9534人、学校2173校から回答が寄せられた。

中2の3割「携帯メール1日30通以上」

 携帯電話を持っている子どもは小6の24.7%、中2の45.9%、高2の95.9%。持ち始めた理由は、小6が「保護者から勧められた」がトップ、中2、高2は「友だちが持っているから」がトップだった。

 携帯所有者のうち、1日の平均メール送受信件数が30件を超えるのは小6で7.1%、中2で33.4%、高2で27.7%。

 1日1時間以上携帯ネットを利用しているのは、小6で全体の1.6%、中2で14.1%、高2で38.7%。

 携帯電話の使用目的で多かったのは、「メールのやりとり」に次いで「音楽などのダウンロード」。高2では「自分のプロフを公開する」「自分のブログを公開する」も多かった。

子どもも7割以上が「フィルタリング必要」 「チェーンメール」「迷惑メール」経験も

 フィルタリングについては「必要」と「本当に有害なサイトだけ見られなくなるなら必要」の合計が、小6で72.0%、中2で75.5%、高2で74.9%。それぞれ女子のほうが割合が高かった。

 携帯電話で心配な点は、全学年とも「迷惑メールやチェーンメールが送られてくる」「知らない人に個人情報がもれる」という答えが多かった。

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 ネットマナーについても聞いた。「自分に来たチェーンメールを転送する」「プロフやブログなどに自分の住所や写真を載せる」「ネット掲示板やメールに他人のことを自由に書き込む」でそれぞれ、全学年とも5割以上が「してはいけない」と答えた。

 携帯ネットについて、家庭でルールを決めている小6は53.9%、中2は40.4%、高2は14.3%。家庭でルールを決めている子どもほど、チェーンメールの転送や、ネット上に個人情報を書き込むことなどについて「してはいけない」と考える割合が多かった。

画像 チェーンメールを送った経験がある中2、高2が2割

 携帯でのトラブルの経験は、「チェーンメールを送られた」が最多で、小6が21.6%、中2が60.4%、高2が57.1%。チェーンメールを送った経験がある小6は6.1%、中2は22.7%、高2は24.0%いた。

 「広告など迷惑メールがたびたび送られてきた」「心当たりのない利用料金の請求を受けた」経験があるという答えも多かった。フィルタリングを利用していない子どもほど、チェーンメールや広告メールが送られてきたという割合が高かった。

 「ネット掲示板やメールで悪口を書かれた」経験がある子どもは、小6で1.7%、中2で6.0%、高2で9.4%だった。

携帯やPCの危険性、「学校で教わった」

 携帯電話やPCの危険性について、「学校で教わった」と答えた子どもが多く、小6が52.8%、中2が79.9%、高2が78.4%。「保護者から教えてもらった」は小6で46.3%、中2で31.3%、高2で15.5%。有害サイトやネットいじめ問題を学んだ経験がある子どもほど、フィルタリングを必要と考えている割合が高かった。

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 携帯電話の利用に関する指導について、「学校全体で計画的に取り組んでいる」小学校は17.0%、中学校は55.3%、高校は54.9%。学校非公式サイトやプロフなどの書き込みをパトロールしている小学校は20%、中学校は45.1%、高校は49.2%。対応は、削除依頼や、警察への相談、関係する児童生徒への指導などさまざまだ。

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