子どもは大人が思うより携帯に冷静?――小中高生、危なさも認識
子どもたちは、携帯電話をフル活用しながらも、危険性や対面コミュニケーションの重要性を認識している――ベネッセコーポレーションのシンクタンク・Benesse教育研究開発センターが4月14日に発表した、小中高生の携帯電話の利用実態調査で、こんな傾向が見えた。
調査は昨年9~11月にかけ、小学4年~高校2年生の計1万267人(小学生3146人、中学生3298人、高校生3823人)を対象に、質問紙で実施した。
携帯電話の所有率(家族と共有も含む)は、小学生が30.6%、中学生が47.8%、高校生が92.3%。中学3年生(55.2%)から高校1年生(91.3%)にかけて急増している。
使っている機能を聞いたところ、小中高生とも約8割がカメラで写真を撮影し、動画も半数以上が撮影していた。音楽ダウンロードは中高生で多く、中学生は60.7%、高校生は71.4%。自分のブログやプロフを持っている子どもは高校生に多く、ブログが46.1%、プロフが39.9%だった。
「携帯電話のネット機能で調べ物をする」という中学生は37.8%、高校生は64.7%。「携帯電話はいつでも必要な情報を調べることができて便利」と答えた中学生は65.8%、高校生は79.6%いた。
携帯電話を持っている子どものうち、中学生の85.9%、高校生の87.1%が「携帯電話を使うのが楽しい」と感じており、「子どもたちにとってケータイは電話でもあるが、手軽な遊び道具でもある」と、大妻女子大学の酒井朗教授は指摘する。
その一方で危険性も認識しており、中学生の71.8%、高校生の74.4%が「携帯電話で知らない人とやりとりするのは怖い」と回答。中学生の77.4%、高校生の77%は「知らない人からの電話には出ない」など、自衛していることも分かった。
放送大学の中川一史教授は「子どもたちは、楽しいという肯定的な面と、怖いという意識を両方そろえている」と指摘。「保護者や教師が便利さや危なさを理解していない。とにかく知らないことが問題で、今後、保護者や教師に対する研修の場が必要。情報モラルはまず『大人から教える』ことが重要だ」と話していた。
メールあっても対面重視 「場面に応じて対処」
子どもは携帯でのコミュニケーションに頼り切っているのではなく、「場面に応じて対処している」(同シンクタンク朝永昌孝研究員)という傾向も見えた。
例えば、高校生があまり親しくない友達を遊びに誘う時には、67.4%が「メールを利用する」と答えたが、「好きな人に告白する」時や、「相手に対する不満を伝える」時、「親に謝る」時には直接話すと答えた高校生が半数を超え、それぞれ63.7%、59.1%、82.2%だった。
「携帯電話はコミュニケーション能力を伸ばすか」という質問には、中学生の46%、高校生の48.7%が「伸ばさない」と回答。中学生の50.8%、高校生の47.6%は「コンピュータが発達すると、失われるものが多い」と答えており、「IT技術を過信しておらず、冷静に見極めている姿も見られる」(朝永研究員)という結果だ。
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