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MS、Windows 7向けに旧JIS互換フォント 最後の旧JIS対応に

» 2009年07月13日 16時29分 公開
[ITmedia]

 マイクロソフトは7月13日、10月に発売する次期OS「Windows 7」向けに、JIS90文字セット(旧JIS)互換フォントパッケージを提供すると発表した。Windows 7はVistaと同様にJIS2004文字セット(新JIS)に対応しているが、字形の違いなどが問題になる一部アプリケーションに配慮し、7でも旧JISフォントを利用できる環境を用意する。

 ただ、旧JISへの対応はWindows 7で終了。7の次のOSからは新JISに完全移行する。7はJIS2004への「最後の移行期間」と位置付けており、関連するシステム開発ベンダーなどに周知していく。

 7は新JIS対応日本語フォントを標準文字環境として搭載している。旧JISはWindows XP以前に使われてきた文字セット。一般ユーザーは旧JIS互換フォントパッケージを利用しなくてもほぼ影響はないが、旧JISをベースにした印刷システムなど、字形の厳密性を必要とする一部のアプリケーションに対応させるため、7でも旧JIS対応フォントを提供することに決めた。

 提供は10月1日から。パッケージ(バージョン1.2b)にはMS明朝とMSゴシックの旧JIS互換フォントが含まれる。

 新JIS(正式には「JIS X 0213:2004」)では第3・第4水準漢字などが追加されているほか、「葛」や「鴎」など一部の文字で旧JISが採用していた字形(いわゆる「JIS字」)が変更され、一般の辞書や活字と同じ字形に統一されている。

 マイクロソフトは「われわれの思想などは一切なく、日本の国語施策などで決定されたものを順守する」という立場。2004年2月に新JISが発表されたのを受け、06年に発売したVistaは新JISに対応したフォント「メイリオ」を搭載。XP用にも新JIS対応MSゴシック・MS明朝を配布した。

 同社の中川哲コマーシャルWindows本部長によると、Vistaが新JIS対応を表明した際、文字化けなどへの不安などから「予想以上に関心を持たれた」が、実際には「一般マーケットでは大きな混乱はなかった」。字形が変わったせいで字が読めなくなった、といった問い合わせも同社のコールセンターにはなかったという。

 Vistaでも一部環境に配慮して旧JIS対応フォントパッケージを提供しており、7でも同様に対応する。だが旧JIS互換フォントパッケージの提供は7が最後となり、次のOSでは新JISに完全移行する。

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