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「ゲームの未来はネットワークにあり」とSCE平井社長TGS2009

» 2009年09月24日 21時28分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 「ゲームを取り巻く最大の環境変化はネットワーク」――ソニー・コンピュータエンタテインメントの平井一夫社長は9月24日に開幕した「東京ゲームショウ2009」基調講演でこう話し、「プレイステーション・ポータブル」(PSP)、「プレイステーション 3」(PS3)のネットワーク関連機能をさらに拡充していく考えを披露した。

 「ゲームの楽しみ方は大きく進化した。同じビジネスのままでは、成長は難しいのかもしれない」と平井社長は話す。最大の変化はネットワーク。「ネットワーク接続のないゲームは考えられない」ところまで来ているという。

 ゲームダウンロードなどが可能なネットワークサービス「PlayStation Network」の世界累計ID数は6月末時点で2900万。累計売上高は250億円以上で、今年度は昨年度の3倍以上の売り上げを見込むなど、急成長しているという。

 平井社長が理想とするゲームも、ネット機能をフルに使ったもの。ユーザーがステージを作ってアップロードできる「Little Big Planet」や、ダウンロードで楽曲を増やせるカラオケゲーム「SingStar」などがその例だ。

 ゲーム販売を完全ネットワーク化する試みもスタートした。UMDディスクを廃し、ゲームはダウンロード購入が原則の「PSP go」を、11月に発売する予定。発売時から、欧米では700タイトル以上、日本では450タイトル以上がダウンロード可能になる。

 非ゲーム分野のコンテンツ配信も進めている。PSP向けに、漫画コンテンツのダウンロード配信を12月にスタート。コンテンツ販売サービス「PlayStation Store」では、EMIミュージック・ジャパン、テレビ東京などの映像コンテンツを新たに加える予定だ。

 ダウンロードサービスや非ゲームへの進出を進める同社だが、平井社長は「PSP、PS3のコアはゲームにある」とも強調し、会場のゲームソフト会社に配慮。ダウンロード専用のPSP goも「PSP-3000とともに力を入れて推進していきたい」と話し、ネット販売移行に危機感を持つゲーム販売店への配慮も忘れない。

 今後は、ゲームのすそ野を広げる取り組みも大切と話す。同日発表した「モーションコントローラー」のように、「初心者からコアゲーマーまで利用できるユーザーインタフェース」や、PS3が対応を進めている3Dゲームなど、“新しい体験”を提供する重要性を説いた。

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