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SNPを次世代DNA鑑定に活用 理研、国際協力で研究スタート

» 2009年10月26日 11時11分 公開
[ITmedia]

 理化学研究所ゲノム医科学研究センターは、次世代DNA鑑定の実用化を目指す共同研究をオランダ法科学研究所などとスタートする。鑑定にSNP(一塩基多型)を活用し、ごく微量の試料からでも遺伝子型を検出できるようにするのが目標で、世界への普及も目指す。

 現在主流のDNA鑑定法はSTR(Short Tandem Repeat)法と呼ばれる。DNA中で同じ配列が複数回繰り返す領域を目印とし、その繰り返しの回数が個人によって異なることを利用し、個人を特定している。だがDNA量が微量だった場合や、白骨などのようにDNAの分解が進んでいる試料などでは、遺伝子型の検出が困難だった。

 SNPは、ゲノム塩基配列中の1つの塩基が個人ごとに異なっている場所のことをいう。数百塩基対に1カ所程度の割合で存在し、ヒトゲノム中には約1000万カ所あるとされる。SNPを鑑定に活用することで、STR法では難しかった極微量の試料や、DNAの保存状態が不完全な試料でも正確に遺伝子型を判定できるようになり、科学捜査分野における強力な検査手法になるとしている。

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