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2009年12月09日 16時40分 UPDATE

「感情」を獲得した初音ミク――「ダーク」「ソフト」でうたってもらった (1/2)

ミクの歌声に表情を追加できるオプション「Append」のデモ版が配布された。さっそく使ってみたところ、非常に完成度が高かった。

[松尾公也,ITmedia]

 史上最も多くの歌をうたっている初音ミク。彼女の2回目の誕生日に浮上した「初音ミクAppend」は、ミクに歌声の表情を複数追加するというオプションだ。そのミクの感情表現の幅を大きく広げるソフトが利用可能になった。

 現在のところ5つあるという表情のうちの2つ「soft」と「dark」を含むデモ版が12月8日、使用開始から2週間の期限付きで配布された。配布から1日しか経っていないにもかかわらずたくさんの楽曲がネット上に投稿されており、ニコニコ動画だけで20曲公開されている(「初音ミクAppend」タグでニコニコ動画新作を検索)。

 もちろん、さっそく使ってみた。

 現在のデモ版の配布形態は、雑誌「DTMマガジン」1月号のDVDへの収録。VOCALOIDの編集を行うVOCALOID Editorは機能制限をつけたデモ版専用のものだが、VOCALOIDデータベース自体はフルで収録されている。

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 「CV01 dark/soft Early DEMO VERSION」と書かれたインストール画面には、大きく2つのマイクロフォンが表示される。それぞれに、深い青と淡い青の初音ミクのシルエットが描かれており、初音ミクから派生した歌声であることを示している。

 このデモ版はCrossOver Macを使ってiMacにインストールしたが、従来のVOCALOID同様に問題なく組み込むことができた。容量はおよそ3Gバイトを必要とする。

 インストールされた「歌手」は、「CV01_soft_earlyDemo」と「CV01_dark_earlyDemo」の2種類。それぞれソフトでしっとりとした表情である「soft」、通常の初音ミクより暗い表情の声である「dark」だ。初音ミクAppendのその他のデータベース、「vivid」「very soft」「solid」は収録されていない。


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 デモ版のVOCALOID Editorは、VOCALOIDのネイティブフォーマットであるVSQとVOCALOID MIDIでは保存できないが、WAVファイルの書き出しや、既に作成してあるVSQデータを読み込むことはできる。初音ミクのオーナーなら、初音ミク(Appendではないほう)を使って保存したVSQをデモ版で読み込めば、「soft」「dark」で歌い直すことができる。

 今回は、初音ミク用に作成したオリジナル曲をデモ版に読み込み、「soft」と「dark」にアサインしなおしてWAVに書き出し、それをMac用の音楽ソフトであるGarageBandに読み込み、ボーカル部分だけ入れ替えて再出力した。

 そして、これは非Appendの初音ミク版。

 「今回のデモ版は製品版に近い所まで作りこんだβ版」とクリプトン・フューチャー・メディアの佐々木渉氏が言うだけあって、その完成度は非常に高い。むしろ、初音ミク(非Append)のときに不自然だった部分、低音の「い」が強調される部分などがAppendでは解消されている。

 ニコニコ動画でのコメントを見ても、ネガティブな意見はほとんど出てこない。「soft」は「ミクの声がさらに立体的になった感じ」「凄い安定してる」「ミクらしいミク」「声がやわやわだ〜」「これは惚れる」。バラード曲ならば「soft」を「新たなデフォルト」としてもおかしくないレベルだ。

 「dark」のほうは、「明るさがないから、たしかにdarkだな」「情感あるなあ」「しっとりしてて良い」「声の余韻みたいな部分にミクを感じる」「+5歳って感じかな」「バラード歌われたら泣きそうな声だ」といった、これまた好意的なコメントが上がっている。

 一方、おもしろい意見も。「弱音ハクかぁ!」「こりゃハクだ!」「これだけDB弱音ハクにすべきのような」「この声でハクだと……俺を萌え殺す気かw」。ダウナー系なVOCALOID派生キャラである「弱音ハク」に「dark」を当てはめているのだ。「この声はハクであってミクではない」といった議論にはなっていないようなので、「ハクとしても使える」声としての需要はありそうだ。

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