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ネイバージャパン、再投稿機能を核としたマイクロブログ「pick」

» 2010年03月09日 11時00分 公開
[小笠原由依,ITmedia]
photo pickのトップページ

 ネイバージャパンは3月9日、マイクロブログサービス「pick」(ピック)を公開した。TwitterのRT(ReTweet)に当たる“再投稿”を活用し、流れてきた情報を紹介することに重点を置くのが特徴。Twitterはハードルが高いというユーザー向けの新サービスとして拡大を図っていく。

 ユーザーが見つけたお勧め情報を投稿するサービスというコンセプト。基本はTwitterなど従来のマイクロブログと同じ。自分が投稿した内容や、ユーザーがフォローしたユーザーの投稿はタイムラインに表示される。

 117文字までのテキスト投稿のほか、Web上にある画像・動画のURL、位置情報の投稿が可能。ローカルからアップロードした画像はタイムラインにそのまま表示できる。テキストのみのTwitterに比べ、画像が見やすく掲載されるなどしてタイムラインが視覚的に補われるため、特別な文章力が必要ないとしている。

 同サービスの特徴は、サービスと同名の「pick」機能。ほかのユーザーの投稿コンテンツについた青のハートアイコンをクリックすると、TwitterのRTのように再投稿できる。元のコンテンツにコメントを付けて投稿することも可能。pickをすると履歴が残り、コンテンツの投稿者にもpickされたことが通知される。

 出典なく転載されたり、改変されることがないように投稿内容を編集することはできない。元の投稿者が削除すれば、再投稿で広まった内容もすべて消える。

photo マイページ

 同社の舛田淳 事業戦略室室長は、限られた文字数で情報を投稿するTwitterのカジュアルさを踏襲しつつ、「画像・動画の投稿も簡単にできるインタフェースにした」という。画像を1枚投稿し、補助的なコメントを添えるといった具合に「瞬間的に感じたことを投稿できる」ようにした。

 同社はこれまで、ユーザーとのコミュニケーションにTwitterを利用するなど、マイクロブログにも取り組んできた。しかし、社員の中から「Twitterを始めたものの、何をやっていいのか分からない」「アカウントを取ったまま放置している」といった声も挙がっていたという。

 使い方が分からないという人と意見交換をするうち、「Twitterには向き不向きがあるという課題に気付いた」。Twitterは自分から情報を発信するのが主流のスタイルで、主体的にならないと利用しにくい点がハードルになっていると分析。そこで、誰かが投稿した情報を選び、紹介する“受け身の情報発信”機能に重点を置いた新サービスとしてpickを開発した。

 自分から投稿しなくても、ハートボタン1つ押すだけで気に入ったという意思表明ができ、最初からフォローや投稿をしなくても楽しめる仕組みを作ることで、参加へのハードルを下げた。

 約6000人の有名人のブログやTwitterのRSSを表示する「有名人のひとこと」もテスト提供。フォローすれば、つぶやきやブログの一部を表示し、タイムラインをRSSリーダーとして使うこともできる。フォローをしてみたいが誰をフォローすればいいか分からない──というユーザー向けには、pickされた数やフォロワーの多い「おすすめユーザー」、ほかのユーザーのマイページをランダムに表示する「シャッフルボタン」機能を備えるなど、「ユーザーが利用するためのハードルを最大限下げた」という。

photo 同社の舛田淳 事業戦略室室長

 「現実の人間関係では、誰かが発した情報に対して受け手が評価や感想を加え、また誰かに伝えていく。その流れのなかで情報は磨かれ広がっていく」(舛田室長)。pickは情報の受け手による評価や伝達に当たる機能を重視した新サービスだ。Twitterが「情報の生成に重きがおかれている」のと一線を画し、pickではリアルな人間関係の情報の伝わり方をマイクロブログで再現しつつ、「全国の人との井戸端会議できる――といったWebでしかできないプラスアルファを提供する」という。

 検索との連動やTwitterとのマルチポスト機能も検討中。「pickで人気になったものは話題になっているもの。検索にもどんどん反映させる」という。同社の検索サービスのコンセプトは「探しあう検索」。「世の中、Web上には無数の情報があり、何を引っ張り出してくるかは、人が選ばなくてはならない」。pickはそのためのプラットフォームの1つという位置付けだ。

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