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任天堂、「ニンテンドー3DS」を披露

» 2010年06月16日 03時52分 公開
[ITmedia]
photo 「ニンテンドー3DS」を掲げる岩田社長=任天堂サイトのライブ配信より

 任天堂は6月15日(米国時間)、2010年度中に発売予定の新型携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」を披露した。眼鏡なしで3D表示ができる液晶ディスプレイのほか、3D撮影ができるステレオカメラを搭載。また「スライドパッド」と呼ぶ新型コントローラも備える。具体的な発売時期、価格は後日明らかにするとしている。

 米国のゲームショー「E3」に合わせて現地で開いたカンファレンスで、岩田聡社長は「15年前に『バーチャルボーイ』を発売した任天堂は、新ハードを企画する際に3Dは常に念頭にあった。そして『ニンテンドー3DS』が当社の答えだ」と述べた。

photophotophoto カラーは3色のようだ。上画面右にあるのが「3Dボリューム」。背面には2つのカメラが見える

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 ニンテンドー3DSは「ニンテンドーDS」の後継機種として、2画面ディスプレイとクラムシェル型ボディを踏襲。新たに、上部ディスプレイには裸眼立体視が可能な3.5インチワイド液晶(800×240ピクセル)を搭載。左目用、右目用交互に400ピクセルずつ割り当てることで3D表示が可能になっているという。3D効果は「3Dボリューム」を使って強弱をコントロールでき、無効にすることも可能という。ボディ外側には2つのカメラを搭載し、ステレオ撮影して3D表示することが可能だ。

 タッチパネルはDSと同様、下画面(3.02インチ・320×240ピクセル)のみ。下画面左側の十字キーの上にはアナログコントローラ「スライドパッド」を搭載し、360度のアナログ入力が可能。さらにモーションセンサーとジャイロも搭載しており、「新しいゲームアイデアが生まれることを期待している」(岩田社長)。グラフィックス処理能力も向上しているという。

 通信機能も強化。スリープ中に他の3DSやWi-Fiアクセスポイントと自動的に通信し、同時に複数のゲームの「すれちがい通信」が可能なほか、Wi-Fiアクセスポイントのある場所で3DSを起動すると、能動的な操作をすることなくネットと連携してさまざまな情報を自動的にダウンロードできるという。

 サイズは約134(横)×74(縦)×21(厚さ)ミリ(閉じた状態)。ニンテンドーDSi(137.0×74.9×18.9ミリ)と比べると縦横が若干異なり、厚さは2ミリほど増えている。ニンテンドーDS lite(133.0×73.9×21.5ミリ)に近いサイズ感だ。

 主なスペックは以下の通り。

  ニンテンドー3DS
サイズ 約134(横)×74(縦)×21(厚さ)ミリ(閉じた状態)
重さ 約230グラム
上画面 3.53インチ裸眼立体視機能付きワイド液晶(800×240ピクセル)
下画面 3.02インチ液晶(タッチ入力対応、320×240ピクセル)
カメラ 内カメラ×1/外カメラ×2(各640×480ピクセル)
無線通信 2.4GHz(3DS同士の対戦プレイが可能)、無線LANアクセスポイント経由でネット接続(IEEE 802.11・WPA/WPA2対応)、スリープ時に自動で3DS同士でデータを交換したり、ネットからデータを受信する機能
入力 A/B/X/Yボタン、十字ボタン、L/Rボタン、スタート/セレクトボタン、スライドパッド(360度のアナログ入力可能)、タッチスクリーン、内蔵マイク、カメラ、モーションセンサー、ジャイロセンサー
その他入力 3Dボリューム(3D表示の立体深度をスムーズに変更可能)、HOMEボタン(本体内蔵機能を呼び出す)、無線スイッチ(ゲーム中でも無線をオフできる)、電源ボタン
コネクタ ゲームカードスロット、SDメモリーカードスロット、ACアダプタ接続端子、充電端子、ヘッドホン端子
サウンド 上画面左右のステレオスピーカー
タッチペン 伸縮可能(伸ばした状態で約10センチ)
バッテリー リチウムイオン
ゲームカード 3DS専用カード(サイズはDSカードと同等、容量は発売時点で最大2Gバイト)

 対応ソフトとして、スクウェア・エニックスの「キングダムハーツ」、カプコン「バイオハザード」、バンダイナムコゲームス「リッジレーサー」、コナミデジタルエンタテインメント「メタルギアソリッド」の開発が表明された。岩田社長は「DSやWiiの発売時には任天堂の前代未聞のアイデアを信じてもらえなかったが、今回は幸いなことに状況が違う。新ハード発売時としては最も強力な支援をサードパーティーから得ている」と話した。

 また「パルテナの鏡」の3D版となる「Kid Icarus Uprising」の発売も計画している。開発は任天堂が昨年2月に設立した会社「プロジェクトソラ」。同社は「星のカービィ」や「スマッシュブラザーズ」で知られるゲームクリエイター・桜井政博氏のディレクションにより、「特命案件」だという新作ソフトの開発を進めていた。

 また宮本茂氏による3DS版「Nintendogs」(「+cats」と紹介された)の開発も明らかにされた。

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