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Windows Phone 7に必要なのは企業ユーザーの支持(1/2 ページ)

» 2010年10月14日 16時21分 公開
[Wayne Rash,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftの「Windows Phone 7」の盛大なローンチイベントは、例によって同社が新製品の発表で繰り広げるお祭り騒ぎとなったが、今回はかなり重要なお祭りだったようだ。

 最大のポイントは、Windows Phone 7が見事なスタートを切り、モバイル市場でMicrosoftが存在感を示し続けることができるかどうかだ。今のところ、Microsoftは最善を尽くしているようだ。

 しかしながら、Microsoftの最善策が万全だと言えるのかどうかはまだ分からない。Windows Phone 7には必要なパーツはすべてそろっているように見える。一見すると、同OS搭載携帯電話はAndroid携帯とそっくりだからだ。しかしよく見ると、幾つか違いがあることが分かる。

 最も顕著な違いは、画面がアプリケーション別ではなく機能別の構成となっている点だ。電子メールハブのアイコンやOfficeハブのアイコンなどが並んでいるのだ。これらのハブアイコンおよびその下に埋め込まれたアプリケーションアイコンはアニメーション化し、それらをオープンすると何が表示されるかを小さな画像で示すことができるようだ。これは、Windows 7のタスクバー上のアイコンにマウスポインタを重ねて少し待つと表示されるサムネイルに近い。

 このアプローチは、失敗に終わったMicrosoftの携帯電話「KIN」を何となく思い出させる。KINはコンシューマーからあまりにも不評だったため、数週間で販売中止になった。同携帯はタイル方式のユーザーインタフェースを備え、ここから電子メール、インスタントメッセージング、SNSサイトなどに移動するようになっている。だが今回の製品はこれとはやや異なる。最大の違いは、Microsoftがこの携帯電話プラットフォームを全世界に投入しようとしていることだ。さらに同社は、さまざまなメーカーおよび通信事業者を活用する考えだ。米国では米AT&Tが最初にWindows Phone 7携帯を発売し、その1週間後にはT-Mobileも発売を予定している。端末メーカーでは、韓国のSamsung、台湾のHTC、米Dell、韓国のLGなどが名前を連ねている。

 Windows Phone 7ではGSMネットワーク対応端末が最初に登場することについて、さまざまな議論が起きているが、GSMを優先するのは賢明な選択だ。米Verizon Wirelessと米Sprint NextelのCDMAネットワークは米国では主流だが、世界の国々の大多数がGSMを採用しているのだ。米Appleが長い間、GSMキャリアにこだわったのも同じ理由によるものと思われる。グローバルで見て最大のユーザーベースを獲得できるからだ。しかしMicrosoftはAppleとは異なり、2011年初頭にはWindows Phone 7のCDMA対応版を投入する予定だと言われている。

 悲運のKINとは異なり、Windows Phone 7端末は少なくともビジネス環境で実際の業務を処理する能力は備えるだろう。Microsoftでは、複数のExchangeサーバと接続可能なモバイル版Outlookを同端末に含める予定だ。

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