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» 2010年12月07日 16時36分 UPDATE

「デジタル教科書」に理数系学会が提案と要望 「授業のプレゼン化」に注意

「デジタル教科書」の活用に対し、情報処理学会や日本数学会などが要望と提案。実際の実験や、紙と鉛筆で作図・計算する機会を減らさず、「分かったつもり」にさせる「授業のプレゼン化」にも注意を促す。

[ITmedia]

 情報処理学会、日本数学会など理数系学会は12月7日、「デジタル教科書」の活用についてまとめた要望と提案を文部科学省に提出した。CGの多用や「授業のプレゼン化」で子どもたちを「分かったつもり」にさせるのではなく、実際の実験や手を使った作図・計算によって学習を深めていくことが大切だとして、デジタル教科書の活用時に留意すべき9項目のチェックリストをまとめている。

 提出したのは、「理数系学会教育問題連絡会」に加盟する情報処理学会、日本数学会、日本化学会、日本化学会化学教育協議会、日本統計学会、日本動物学会、日本物理教育学会、日本地球惑星科学連合。

 要望では、各学会ともデジタル教科書・デジタル教材の活用が教育を高めていく上で必須であり、活用に取り組んでいくとの認識を示した上で、初等・中等教育での活用では児童生徒の発達過程と教育内容との関連についてよく考慮し、「教育そのものを高めていく」という目的にかなったものである必要があるとして、以下の9項目のチェックリストをまとめ、文科省の施策などが全項目を満たすよう求めた。

(1)「デジタル教科書」の導入が、手を動かして実験や観察を行う時間の縮減につながらないこと。

(2)「デジタル教科書」において、虚構の映像を視聴させることのみで科学的事項の学習とすることが無いこと。

(3)「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒が紙と筆記用具を使って考えながら作図や計算を進める活動の縮減につながらないこと。

(4)「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒が自らの手と頭を働かせて授業内容を記録し整理する活動の縮減につながらないこと。

(5)「デジタル教科書」の使用が、穴埋め形式や選択肢形式の問題による演習の比率増大につながらないこと。

(6)「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒どうしが直接的に考えや意見を交換しながら進める学習活動の縮減につながらないこと。

(7)「デジタル教科書」の使用により、授業の「プレゼンテーション化」や、児童・生徒に対するプレゼンテーション偏重・文章力軽視意識の植え付けが起きないようにすること。

(8)「デジタル教科書」の導入に際して、教員の教科指導能力が軽視 されることがないように、また教員の教材研究がより充実するように配慮すること。

(9)「デジタル教科書」の導入に際しては、少なくとも当面の間は、現行の紙の教科書を併用し、評価や採択においては紙の教科書を基準とすること。

 情報機器の長時間の利用による健康問題、学習行動の電子記録を行うことの児童生徒のプライバシー問題についての検討も求めている。

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