ITmedia NEWS > 社会とIT >

オリンパス社員に「今こそ立ち上がろう」 元専務がサイト開設して呼びかけ

» 2011年11月14日 01時07分 公開
[ITmedia]
photo 「『座して死を待つ』よりは、と思い、走り出しました」という呼び掛け

 「今こそ立ち上がろう、と呼びかけたい」──巨額の損失隠しが発覚したオリンパスの元専務を名乗り、解任されたマイケル・ウッドフォード元社長の復職を求める声を上げるよう現役社員に呼び掛けるWebサイトが公開された。「オリンパス丸は沈没寸前」だが、「まだチャンスはある、今行動を起こせば」と訴えている。

 同社の“草の根”の社員に呼び掛けるサイト「Olympus grassroots」は11月12日付けで開設。オリンパス元専務で、オリンパスメディカルシステムズの元社長を務めた宮田耕治さんの名前で公開されている。

 サイトに掲載された呼び掛けでは、「客観的に見てオリンパスが独立した企業として存続できる可能性が日ごとに減少しています」と危惧。既に同社株式は東京証券取引所が監理銘柄に指定しており、7〜9月期決算が12月14日までに間に合わない場合は上場廃止となる。また有価証券報告書に虚偽記載があり、その影響が重大であると判断されれば上場廃止になる。

 さらに「より現実的なタイムリミットは『内視鏡事業が致命的なダメージを受ける前』」と指摘し、高い市場シェアを持つ内視鏡事業が主要顧客から見放され、国公立病院などの入札から閉め出されれば大きなダメージが生じるという。

 有価証券報告書の虚偽記載が「重大である」と東証が判断するかどうかは「裁量の余地があります」という。「この裁量に我々が影響を与えられるとしたら『オリンパスは再生できる』との強力なメッセージを全社一丸となって発することしかありません」と訴える。

 信頼回復のためには「ウッドフォード氏の復職しか道は無いと思います」として、元社長のもとでコーポレートガバナンスの再構築と収益性改善に向けた改革が必要だと提言する。ウッドフォード元社長の解任は、元社長が損失隠しという「現経営陣にとって『不都合な真実』」を隠ぺいするためだったとして、「我々の不明を恥じ、行動する勇気が無かったことを率直に認め」た上で、「声を一つにして氏の復職を嘆願」するよう社員に呼び掛けている。

 サイトは現役社員とOBに対して呼び掛けており、既に賛同者として社員が実名・匿名で掲載されている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.