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Facebook、プライバシー問題でFTCと和解

» 2011年11月30日 09時38分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Facebookは11月29日(現地時間)、同社サービスのプライバシー設定をめぐる訴訟で、米連邦取引委員会(FTC)と和解することで合意したと発表した。

 合意の条件は、FTCが米Twitter米Googleに提示したものとほぼ同じで、包括的プライバシープログラムの実施と、向こう20年間にわたる第三者機関による定期的(2年に1度)な査察の受け入れなどが義務付けられる。

 Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは公式ブログで、「Facebookは人々の(情報を)共有し、つながりたいという願いに基づいているが、そのためには常に人々が自分で制御できなければいけないと考えている」とし、「これまでユーザー情報に関する透明性と管理に関して全般的に正しい実績を積んできたと思う」が「例えば4年前のBeaconのように、間違えも犯したことを認める」と語った。

 この合意は、2009年12月にElectronic Privacy Information Center(EPIC)ほかのプライバシー擁護団体や個人がFTCにFacebookを提訴したことが発端になっている。2009年のプライバシーポリシーの変更で、サードパーティーに個人情報がユーザーに無断で提供されるようになったことに抗議するものだった。

 合意文書によると、Facebookは上記のほか、広告主に個人情報を提供したり、サードパーティーアプリのセキュリティを審査しなかったり、ユーザーが削除したはずのデータを無断でサーバに保存していたという。

 FacebookはFTCのこうした主張を認めてはいないが、和解条件に従うことに同意した。ザッカーバーグCEOは、提起されている問題の幾つかは既に解決済みだとしている。

 今後は、プライバシー関連の変更がある場合は事前にユーザーに通知し、ユーザーが削除したデータは、30日以内にサーバから完全に削除される。

 Facebookはまた、プライバシー関連の取り組みを強化する目的で、新たに2つの幹部職を設けた。ポリシー担当のCPO(最高プライバシー責任者)にはエリン・イーガン氏を、製品担当のCPOには現在同社の法務部の顧問を務めるマイケル・リッチャー氏が就任する。イーガン氏は、国際法務事務所のCovington & BurlingからFacebook入りしたばかりだ。

 Facebookは2012年前半には株式を公開するとみられている。

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