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エルピーダ、会社更生法の適用申請 負債4480億円

» 2012年02月27日 17時21分 公開
[ITmedia]
photo エルピーダの坂本幸雄社長=09年3月

 DRAM専業メーカーのエルピーダメモリは2月27日、会社更生法の適用を東京地裁に申請した。同社によると、昨年3月末時点の負債総額は4480億円。同社は借入金返済が4月以降に迫っており、メモリ大手の米Micron Technologyとの資本提携を模索していたが、自力再建を断念した。

 同社はに「債権者を始め、関係者各位に多大なるご迷惑をお掛けする事態となりましたことにつき、誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。「役職員一丸となって会社の事業の再建に尽力して参る所存です」としている。

 同社は日立製作所とNECのDRAM部門が統合して1999年に「NEC日立メモリ」として発足し、2000年に現社名に変更した。「産業のコメ」と呼ばれたDRAMを製造する国内唯一の半導体メーカーとなり、高い技術力で知られていた。

 だがSamsung ElectronicsやHynix Semicocnductorの韓国勢との競争が激化したほか、世界経済の減速と市況の悪化で経営が悪化。09年3月には産業再生法の第1号認定を受け、公的資金300億円の注入も受けていた。

 社債償還や借入金返済のため、4月以降に1700億円が必要だったが、資金繰りの悪化から1月末時点で現預金は約500億円と、手元資金だけでは不足する事態に。このためMicronや台湾Nanya Technologyとの資本提携を模索していたが、交渉は難航していたもようだ。

 23日には1500億円の減資と株式発行枠の倍増を3月28日開催の臨時株主総会に付議すると発表していた。

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