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» 2012年06月25日 17時07分 UPDATE

「人生の起業家たれ」――LinkedIn創業者と楽天・三木谷社長、スタートアップを語る (1/2)

著書「スタートアップ!」出版にあわせてLinkedIn創業者のホフマン氏が来日し、楽天の三木谷社長と起業家精神について語り合った。ホフマン氏が提唱する「ABZプラニング」とは。

[ITmedia]
画像 ホフマン氏と三木谷氏

 「誰もが人生の起業家たれ」――著書「スタートアップ!」出版にあわせて来日中の米LinkedIn創業者リード・ホフマン氏と、楽天の三木谷浩史社長がこのほど都内で対談イベントを行い、起業家精神について語り合った。

 「シリコンバレーのヨーダ」と呼ばれるホフマン氏は、米Apple、富士通を経てWebベンチャーSocialNet.comを起業後、PayPal副社長に就任し、LinkedInを創業した。投資家としても知られ、FacebookやZynga、Flickr、Last.fmなどに出資している。

 三木谷氏が経営する楽天は、社内公用語の完全英語化を7月に控える。対談は全編英語で行われ、三木谷氏がホフマン氏に「ミッキーと呼んでください」と呼びかけるシーンも。司会は元NHKのフリーアナウンサー・住吉美紀氏が務めた。

「人生はギャンブル、賢いリスクを取れ」

 「人生は常にギャンブル。だからこそ、起業家精神が大切」とホフマン氏は言う。グローバル化が進み、産業や雇用情勢が急激に変化している現在、「変化に順応し、新しい未来を作っていくことが大事」なのだ。

 「賢いリスクを取り、新しいことにチャレンジすれば、チャンスをつかみ、マイナスを減らせる。崖から飛び降り、下を飛んでいる飛行機の上に乗れ」とホフマン氏はチャレンジをすすめる。会社を辞め、起業するのも1つのリスクのとり方だ。「自分には見えているが、ほかの人には見えていないリスクを取ることが成功につながる」(ホフマン氏)

 三木谷氏は日本興業銀行に勤めていた当時、「起業は考えていなかった」というが、留学先のハーバードビジネススクールで考えが変わったという。同窓生で最も尊敬されたのは、大企業に就職した人ではなく、小さくても自分のビジネスを立ち上げた人。「アメリカのビジネスマンが起業家精神にあふれていることに感銘を受け、いつかは自分の会社を立ち上げたいと思った」

 神戸出身の三木谷氏。阪神淡路大震災で親戚や友人を失ったこときっかけに「人生は短い」と実感し、「いつか崖から飛び降りるなら、とにかく早く飛び降りてみたいと思った」と振り返る。「短い人生で、何かに向かってもそうでなくても時間は過ぎていく。震災経験がわたしの背中を押してくれた」(三木谷氏)

 三木谷氏は興銀を辞め、95年にコンサルティング会社を設立。1年後、楽天市場を立ち上げた。多くの人がネットビジネスに懐疑的だった当時。「ネットで世界が変わるという確信があり、ショッピングモールを作ろうと思った。ECビジネスはカタログ通販より大きくなれるのではと仮説があった。新しいコンセプトを始める時は、どういう仮説を立てるか、どの仮説に賭けるかだと思う」

 「Web 2.0の変革が来る」と考え、ホフマン氏が起業を志したのは2002年秋。最初に立ち上げた「SocialNet.com」はうまくいかなかったが、03年に創業したLinkedInで成功。会員数は1億5000万人を突破した。「ソーシャルネットで人生のプロファイルを作って情報を共有し、つながりを作ることが、人生を切り開くプラットフォームになり得ると思った」

人脈があれば何とかなる

 スタートアップには、大志、資産、市場環境の3つが重要と説くホフマン氏。個人のキャリア形成にもそれが当てはまるという。「自分が持っている資産を考え、世の中にどういうチャンスがあるか、市場の現実を見て合理的に、パッションを持って考えるべき」(ホフマン氏)

画像 住吉さん、ホフマン氏、三木谷氏

 司会を務めたフリーアナウンサーの住吉美紀さんは昨年、NHKから独立。「志と、アナウンサー経験という資産はあったが、市場環境について考えずにNHKを辞めてしまった。この選択は間違っていたでしょうか?」と問う住吉さんに、ホフマン氏は「周りを見ずに崖から飛び降りても、人脈があれば何とかなる」と返す。

 LinkedInは人脈づくりをサポートする。「LinkedInを使えば、人を見つけやすくなる。特定の分野の専門家を見つけたり、知り合いの知り合いを見つけることも容易だ」。ホフマン氏がFlickrに投資したのも、LinkedInでの出会いがきっかけだったという。

 「楽天も友人なしには存在しない」と三木谷氏。楽天市場のアイデアは、ビジネススクールのクラスメイトの提案だったという。「起業時、クラスメイトにメールで手伝ってもらった。アイデアに自信がない時、キャッチボールの相手がいることが重要だ」(三木谷氏)

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