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ニコニコ超会議は4億7000万円の大赤字、想定の倍以上 「次はもう少し計画的に」と来年開催も

» 2012年07月18日 16時05分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「本当はこんな話、したくないんだけど、関心がある人が多いので、報告しなければ」――ドワンゴ取締役の夏野剛氏は7月18日、都内で開いた発表会でこう切り出し、4月に開いた「ニコニコ超会議」の赤字額を発表した。その額、4億7081万25円。川上量生会長は「ちょっとやりすぎちゃったかな」と反省しつつも、来年も超会議を開催する計画を明らかにした。

画像 川上会長(左)と夏野氏。発表会は、六本木にあるニコニコ動画のイベントスペース「ニコファーレ」で開かれた

 ニコニコ超会議は、4月28、29日に幕張メッセ(千葉市)の1〜8ホールとイベントホールを借りきって開いた、ニコニコ動画の巨大イベント。2日間でのべ9万2384人が来場し、会場からの公式生放送を視聴した人の数は347万766人にのぼった。

 赤字は想定内だったが1〜2億円程度にとどまると経営陣は予想しており、実際の赤字額はその倍以上にふくれ上がった。「(大規模な)イベントは初めてだったので、どれぐらいお金かければどれぐらいのものができるかを把握していなかった。1〜2億円程度でできると思って進めていたが、成功させるにはこれも必要、あれも必要となり、こういうことになった」と川上会長は反省する。

 「ユーザーが一番楽しめるイベントを実現できたのが重要」と夏野氏。ニコニコ動画のPR効果など、数字に現れない効果は想定以上だったと強調する。「メディアに取り上げられた量は予想以上で、連休中にほぼすべてのテレビ局で報道された。報道で初めてニコニコを知った方、経営層の方もたくさんいらっしゃっただろう。一般化が前進したと思う」(夏野氏)

 ブースを出展した企業との関係強化にもつながったという。「企業ブースは、ほかのイベントを上回る集客規模を実現したので、企業との提携がやりやすくなってきたと思っている」(夏野氏)。プレミアム会員数の増加にも「プラス効果があった」と夏野氏は分析する。

 大赤字にこりず、2013年4月27、28日に幕張メッセを借り切り、同じ規模で超会議を行うことを計画している。今年の経験を生かし、「次回からはもう少し、計画性を持ってできると思います」と川上会長。イベントに協賛するスポンサー企業を募るなどして、赤字を抑えていきたいという。「今度はもうちょっとマシな形で開催します」(夏野氏)

 米国のヘッジファンドとみられる「JOHO CAPITAL」が同社株を大量に買い占めていることにコメントを求められた川上会長は、「われわれは株式市場からは大変な過小評価を受けていると思うが、それに値する大変な難もある。そのあたりが今後どういうふうに評価されていくのか分からないが」と答えるにとどめた。

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