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人工DNA入り印刷用インク開発 「模倣ほぼ不可能」で偽札防止に

» 2013年02月12日 19時29分 公開
[ITmedia]

 理化学研究所発のバイオベンチャーであるタグシクス・バイオと大日本印刷は2月12日、人工DNAを含有した印刷用インクを開発したと発表した。第三者による模倣が「ほぼ不可能」で、紙幣や金券などの偽造防止に活用できるとしている。

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 タグシクス・バイオが開発した人工DNAを活用。DNAの基本となる4種の塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)に加え、人工的に作り出した塩基対を組み込んでおり、4種の塩基だけを任意に配列した従来の偽造防止技術よりさらに模倣が困難という。

 光に強い塩基配列の人工DNAを利用。印刷物表面に人工DNAが露出しないよう保護インクでコーティングすることで、光や温度、湿度などの環境変化による悪影響を受けづらくし、DNAの保存性を改善したという。人が触れたりなど外部からDNAが混入しても人工DNAと区別が付くため、誤認などを防ぎ、高い精度で解析できるとしている。

 金券50万枚作る場合の制作費は、人工DNAを含まない場合の費用に10〜20%上乗せする程度。両社は国内外の紙幣やパスポート、有価証券など向けに販売し、1年間で約3億円の売り上げを目指す。

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