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日本の広告費、5年ぶり増加に転じる 新聞、テレビも成長

» 2013年02月21日 17時55分 公開
[ITmedia]

 電通が2月21日に発表した「日本の広告費」によると、2012年の総広告費は5兆8913億円と5年ぶりに前年実績を上回った。08年の世界同時不況以来、4年連続で前年を下回っていたが、12年は東日本大震災の反動増もあり、新聞、テレビ、ネット媒体が伸びた。

 新聞広告費は前年比4.2%増の6242億円。前年の震災の反動増で、12年前半は前年比10%近い大幅増となったが、後半は円高や欧州危機などの影響で前年を若干下回った。

 テレビ広告費は同3.0%増の1兆7757億円となり、2年ぶりに前年を上回った。自動車関連や、ソーシャルゲームなどを含む情報通信、食品、化粧品・トイレタリーなどの業種で広告費が増加した。

 オリンピック中継をきっかけにBS放送の視聴が中高年層に浸透した影響で、BS・CS放送など衛星メディア関連広告費も同13.7%増の1013億円に成長。3年連続で2ケタの伸びを示した。

 雑誌広告費は同0.4%増の2551億円。女性誌と熟年向け男性誌で大幅に伸長。アラサー世代の女性向け「BAILA」や「VERY」の広告が前年比で30%以上伸びた一方、20代前半女性向けの「Cancam」「JJ」などは低調だった。

 ラジオ広告費は1246億円(前年比99.9%)。自動車や食品などは伸びたが、アルコール系飲料の出稿に低下傾向があるなどし、前年割れとなった。

 インターネット広告費(媒体費+制作費)は同7.7%増の8680億円。ロンドン五輪や衆院選などのイベントでネット広告の活用が進み、成長を後押しした。検索連動型広告やDSP広告など「運用型広告」が2ケタ成長をとげる一方で、これまでの枠売り広告は次第に横ばいに近づいている。

 ネット広告制作費は同9.5%増の2051億円。モバイル広告の落ち込みなどで伸び率は鈍化したが、スマートフォンアプリやFacebookページの制作件数が増加した。

 同調査は前年度まで、ネット広告に占めるモバイル広告費の割合を出していたが、スマートフォン・タブレットの普及で旧来の「モバイル」の概念が適さない面が出てきたとし、12年度からはモバイル広告の分類を廃止した。

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