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警視庁の防犯アカウントで「本職」のほっこりツイート復活 運用ポリシーも公開

» 2013年03月14日 18時11分 公開
[ITmedia]
画像 再開の経緯をつづった一連のツイート

 「警視庁の懐の深さを改めて認識いたしました」――防犯情報を知らせる警視庁の犯罪抑止対策本部アカウント@MPD_yokushiで、担当者の個人的なつぶやきが一時休止し、4日後に復活した。「皆様からのご声援並びにご支持」が原動力となり、「上司の強力なサポート」を得て復活。副総監の決裁を受けた運用ポリシーを定め、ネットで公開している。

 同アカウントは昨年11月にスタート。普段は「オレオレ詐欺入電中」といった振り込め詐欺情報などをツイートしているが、「本職」こと更新担当者が時折つぶやく「(パソコンが占領されていてもつぶやけるように改良いたしました。これで本職の天下です。本日のお茶はミックスベリーティーです。いい香りとほめられました…)」といったゆるいツイートが、フォロワーをほっこりさせていた。

 「本職」の個人的なつぶやきは、「警察広報のスタイルを破る新たな実験でしたが、本職ひとりでは力不足でした」と3月4日に休止を宣言。その後3日間沈黙が続いていたが、8日になって、「短い冬眠から覚めました」と復活。「皆様からのご声援並びにご支持」「上司の強力なサポート」で復活したと知らせ、「警視庁の懐の深さを改めて認識いたしました」と述べていた。

 13日、「本職」が休止から復活までの経緯を説明。「公の媒体で個人的な発言をするなどけしからんという批判があり、その批判に応えられるルールがなかったため」休止したが、休止のうかがいを立てた際、上司から「ひとりで辛い思いをさせてすまなかった」と言ってもらい、「この人の下でならまだやれる」と思ったという。また、休止を宣言してから、再開を望むリプライやメールが多数寄せられ、「再開する」と腹を決めたという。

 再開に向けた検討会で、上司は「Twitterは公のアカウントであっても担当者個人のメディアだと思っている。ただし、担当者個人に責任は負わせない。担当者が代わって後を継ぐ人がいなければやめてしまってもいい」と発言してくれたという。

 さらに、副総監の決裁を受け、「担当者の発言は、警視庁としての公式見解、方針等を示すものではなく、担当者の日常における経験、感想等を述べるものである」などと明記した運用ポリシーを策定して公開。モバイル環境からのつぶやきも可能になったという。Twitterなどソーシャルメディアの運用ポリシーが公開されているケースは民間企業でもそう多くはなく、行政、しかも警察が公開しているのはかなり異例だ。

 これまで、担当者は1人だったが、14日からは「甲」「乙」の2人体制に変更。フォロワー2万2222人達成記念の企画も考えているという。

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