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ソーシャル買い物アプリ「Origami」公開 KDDI、DACが5億円出資

» 2013年04月23日 20時05分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 Origami

 ベンチャー企業のOrigam(東京都港区)は4月23日、iPhone向けのソーシャル買い物アプリ「Origami」を公開した。ファッショナブルなブランドやセレクトショップ、アート関連などの商品に限定したショッピングアプリ。Facebookと連携し、友人が「いいね!」や購入した商品をチェックしたり、リアル店舗と連携したO2O(Online to Offline)機能を備えた。

 Facebookアカウントかau IDでログインして利用する。気になるブランドをフォローし、商品情報を受け取ったり、Facebookでつながっている友人が「いいね!」や購入した商品情報を閲覧、購入できる。ショップやブランドだけでなく、著名人、メディアなどのおすすめ商品もフォローできる。

 直感的なユーザーインタフェースも売りだ。「Pinterest」に似た画像メインのデザインで、商品写真を次々に閲覧できる。GPSと連動したマップ機能では、現在地周辺の店舗を検索したり、店舗へのチェックインが可能だ。ユーザーが好きそうなブランドの店舗に近づくとプッシュで通知する機能など、実店舗と連携したO2O機能の実装を検討している。

 店舗やブランド側は、初期費用・月額費用不要で無料で利用でき、売り上げの10%をOrigamiに支払うレベニューシェア型。既に500以上のブランドから参加申請があるとしており、現時点で吉田カバン、Head Porter、BEAMS、森美術館、MoMA DESIGN STOREなどの商品を購入可能だ。

 まずは日本版のiPhoneアプリを提供し、Androidアプリも2〜3カ月内に公開。PC版もリリースする予定だ。同社はニューヨークに拠点を構えており、海外版の提供も検討している。

KDDIとDACが計5億円出資

画像 左から、技術担当副社長の野澤貴氏、康井義貴CEO、ビジネス開発担当副社長のマックス・マッキー氏

 KDDIのベンチャーファンドとデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)から、合計5億円の第三者割当増資を受け、両社と業務提携したことも明らかにした。au IDでログインすると、商品の送付先住所が自動入力される機能を実装しているほか、6月にはauかんたん決済を導入する予定だ。DACとは今後、サービス内の広告展開について協議していく。

 Origamiの康井義貴CEOは米トロント生まれ。シドニー大学、早稲田大学卒業後、米投資銀行Lehman Brothers、シリコンバレーのベンチャーキャピタルを経て起業したという。「今の日本のECプラットフォームの利用料金は、シリコンバレースタンダードからは考えられないプライシング」と指摘。「ECショップに行って商品名を打ち込み、購入するというフローを、スマートフォンで変えたい」と意気込みを述べた。

 KDDIの高橋誠専務は「Origamiはデザインセンスがすばらしい。メンバーは海外経験も豊富で、是非応援したいと思った」と出資の理由を説明。「スマホ時代を先取り取り組みに、ログインや決済、ペイメントなどを融合させ、次世代ECプラットフォームを確立したい」と話している。

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