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iPhone 5のLTEカバー率は「71%」 だが「単純比較は意味がない」と田中社長

» 2013年06月10日 14時59分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 KDDIの田中孝司社長は6月10日、iPhone 5で利用できるLTE(2.1GHz帯)の「実人口カバー率」を公表した。5月末現在のカバー率は71%(今年3月末時点では63%)で、うち10MHz幅以上(主に下り最大75Mbps対応)のLTEエリアは20%(今年3月末時点では14%)、同15MHz幅以上(下り最大112.5Mbps対応)のエリアは1%以下としている。実人口カバー率は来年3月末には80%に拡大する計画という。

 田中社長は「カバー率の算出方法は事業者ごとに異なるため、横並び比較にはあまり意味がない」と、数字の1人歩きを警戒。今後、総務省や業界団体でカバー率の表示方法を議論し、対応していくという。

 iPhone 5端末の下取りサービスを検討していることも明らかに。Androidを含めたスマートフォン下取りサービスを検討しており、iPhone 5を含める可能性を示唆した。


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 同社はiPhone向けの下り最大75Mbps対応LTEについて、カタログなどに「2012年度末時点で実人口カバー率96%に拡大」など記載していたが、実際は14%だったとして消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を受けていた。

 これまでiPhone用LTEの人口カバー率を公表しなかったのは、「LTEネットワークはマルチバンド対応が前提。バンドごとに開示していくべきかについては議論があった」上に、「各社によってカバー率の定義の仕方が異なる」ため。だが今回、消費者庁の措置命令を受け、「開示してほしいという声が多数寄せられた」ため開示に踏み切ったという。

 同社の実人口カバー率は、全国を500メートル四方に区分したメッシュのうち、同社サービスエリアに該当するメッシュに含まれる人口の総人口に対する割合から算出。メッシュの一部エリアのみカバーしている場合は、該当メッシュ人口にメッシュ面積率をかけて算出しており、「厳しめに精査している」と田中社長。今後は「みなさんの声を聞きながら、あるべき開示の仕方を見いだしていきたい」と話している。

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