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» 2013年06月12日 19時20分 UPDATE

JustGiving Japan代表がクラウドファンディング新サイト 営利目的もOK、元NHK堀潤氏も参加

JustGivingのノウハウを生かしたクラウドファンディングサイト「ShootingStar」がオープン。元NHKアナウンサー堀潤さんのニュースメディアを支援するプロジェクトなどがスタートした。

[岡田有花,ITmedia]
画像 ShootingStar

 寄付のプラットフォーム「JustGiving」日本版代表理事が経営するJGマーケティングは6月12日、クラウドファンディングサイト「ShootingStar」(シューティングスター)をオープンした。

 NPO支援に限定し、見返りのない寄付のみ行うJustGivingと異なり、営利目的のプロジェクトを支援でき、見返りに特典がもらえるのが特徴。第1弾として、元NHKアナウンサーの堀潤さんが手がけるニュースメディアの刷新を支援するプロジェクトなどがスタートした。

 ShootingStarは、企業や個人などがプロジェクトの資金を、個人の支援者から調達できるサイト。支援を募る人は、プロジェクトの内容と目標調達額をWebサイトで説明し、支援金額に応じた特典を用意。支援金の合計が目標に達すればプロジェクトが成立して支援金を受け取り、支援者に約束した特典を届ける。未達ならプロジェクトは行われず、支援金は引き落とされない。

 資金調達したい人は、Webサイトから応募し、審査に通れば支援の募集をスタートできる。審査は、プロジェクトの内容が公序良俗に反していないか、実現可能か――などをチェック。審査には7営業日程度かかるという。

JustGivingのノウハウで、安心できるサービスを

 サービスの仕組みはライバル各社のクラウドファンディングサイトとほぼ同じだが、JustGivingで培ったノウハウを投入し、安心して支援できるサイトになっていると、JGマーケティングの佐藤大吾社長(ジャスト・ギビング・ジャパン代表理事)は説明。「Webサービスであるという認識に加え、金融サービスだという自覚を持っている」と話す。

 安心を担保する仕組みの1つとして、プロジェクトの目標金額達成時点で支援者のクレジットカードの与信枠が足りず、支援金が振り込まれない――といった事態を防ぐため、支援を申し込んだ時点でクレジットカードの与信枠を先取りし、支援金の“取りっぱぐれ”を防ぐという対策を用意した。

 起案者の見通しが甘く、集めた資金がプロジェクト達成に足りなかったり、起案者が支援金を持ち逃げした場合の対策も用意しているというが、具体的な対策の内容は明らかにしなかった。

 JustGivingの経験を生かし、話題になりやすい文章表現や動画のノウハウなどを有償・無償で提供できることや、「R25」「オルタナ」などメディアの協力を取り付けており、プロジェクトが記事で紹介される可能性があることなども、差別化ポイントだとしている。

きっかけは震災

 ShootingStarを企画したきっかけは、東日本大震災だったという。佐藤社長は、震災で津波被害にあった店の店主などから、「JustGivingで再建資金を集めたい」という相談を何件も受けたが、JustGiving寄付先をNPOに限定しており、彼らを支援することができなかったという。

 当初はJustGiving Japan内で、営利目的のクラウドファンディングサービスができるよう、英国のJustGivingと相談していたが調整が付かず、別サイトとして立ち上げることにした。

 JGマーケティングはShootingStarを直営し、JustGivingにはシステムを提供する――という位置づけになる。「個人でも、会社でも営利目的でも、チャレンジする気持ちを大切にしたい」(佐藤社長)

「日本の言論空間を進めたい」 元NHK堀さん

画像 堀さん

 第1弾として、元NHKアナウンサーの堀潤さんが、一般市民によるニュース発信サイト「8bitNews」(エイトビットニュース)で今秋に予定しているリニューアル資金の支援を募るプロジェクトを始めた。

 8bitNewsは、一般市民がマスメディアのニュースルームに入り、情報発信に参画する「パブリックアクセス」実現に向けて昨年、堀さんが中心となってオープンしたサイト。今秋に予定しているリニューアルでは、取材者の資金獲得のためのクラウドファンディングを導入したり、オンラインでの取材研修をスタートするなど、一般市民やフリージャーナリストが、資金を得たりノウハウを学びながら発信できるプラットフォームにしていく。

 同プロジェクトに3000円支援すると、サイト運営に参加できる「8bitNewsサポーターズクラブ」会員券が、1万円ならオリジナルステッカーとサイトへの名前掲載が、3万円なら堀さんとのオンラインミーティングができ、7万円なら堀潤さんによるプレゼンテーションの講座が受けられ、10万円なら堀さんがナレーションを吹き込む――など、堀潤さんの技能を生かした特典を用意した。

 「世界では公共放送がオープンジャーナリズムの受け皿になっているが、日本ではまだ難しい」と堀さんは指摘。「いろいろなメディアやIT企業などをアライアンスを組み、みんなの力で日本の言論空間を進めたい。一般の人が自信を持って発信できる環境を作りたい」と意気込む。

 福島県内で開催される飲み会に参加して福島の友達を作り、支援できることを考えよう――というプロジェクトも始動した。支援金は全額、放射線量の多い地域の子どもたちが、被爆の心配なく遊べるインドア施設設立を目指す「福島インドアパークプロジェクト」に寄付される。

目指すは1500万円プロジェクト成立 「成功事例を作りたい」

画像 左から、「福島インドアパークプロジェクト」を推進するNPO法人オンザロード代表理事の高橋歩さん、同福島支部リーダーの平学さん、佐藤社長、堀さん

 クラウドファンディングの世界市場は2012年で27億ドル(約2600億円)、13年は51億ドル(約4900億円)と予想されており、米最大のクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で最高額を得た時計制作プロジェクトの支援額は1027万ドル(約10億円)に上る。

 日本ではクラウドファンディング1サイト当たりの年間支援額が1億円を超える程度の市場規模。国内最高調達額は、映画「ハーブ&ドロシー」の制作・配給資金を集めたプロジェクトで、1463万円集まった。

 ShootingStarでは、国内最高プロジェクト成約金額更新(1500万円以上)と、年間流通総額1億円・サポーター1万人を目指していく。「ネットで資金がちゃんと集まるという成功事例を作り、いろいろな人にチャンスを提供したい」(佐藤社長)

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