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茨城交通「ガルパンバス」2号車完成の裏に“絶対に負けられない戦い”があった

» 2013年06月28日 14時38分 公開
[ITmedia]

 6月27日、東京・霞ヶ関の国土交通省に「ガールズ&パンツァー」(ガルパン)の痛バスが乗り付け、主人公・西住みほ役の声優・渕上舞さんとアニメ制作スタッフらが観光庁の井手憲文長官を表敬訪問した。このガルパンバスは急きょ用意された2号車。その裏には「ちょっとしたドラマ」があったことを、同バスを運行する茨城交通(水戸市)がWebサイトで明らかにしている。

photo ガルパンバス2号車

 同作品の舞台になった茨城県大洗町には各地からファンが詰めかけ、地元とのコラボは大きな広がりに。これが評価され、観光庁主催の「第1回 今しかできない旅がある」で奨励賞を受賞することになった。

 3月の応募時、「受賞したら表彰式にガルパンバスで国土交通省の玄関に乗り付けようぜ!」と関係者で盛り上がったものの、さすがにないだろうと思っていたところで5月末に受賞の内示が。ではやってやろうと段取りを進めたが、ここで問題が発生。昨年11月から運行しているガルパンバス1号車は、東京都のディーゼル規制のため都内に入れないことが発覚したのだった。

 国交省に痛バスで乗り付けるには、規制にかからない車体を用意して再度ラッピングするしかない。時間と費用からあきらめかけていたが、「大洗女子学園が幾多の苦難を乗り越えて栄光を掴んだという『ガルパン魂』は関係者のみなさんにも宿っていました」。授賞式まで2週間を切ったところで「やるだけやってみよう」と関係者が立ち上がった。

 「バスの採寸→デザイン起こし→茨城県バス協会のラッピング審査会承認→印刷→施工」という工程を2週間という残り時間でやるのは「普通無理」だったが、「そこには神風ならぬ『大洗の風』が吹いたのでしょう。みなさんの見事な連携で間に合ってしまいました」という。その成果が27日の霞ヶ関の風景だった。

 茨城交通は「『ガルパン』という一つのアニメが、多くの人を動かす強い力を与えてくれ、あきらめてはいけないということをあらためて教えてくれました」と記している。

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