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» 2013年09月13日 08時55分 UPDATE

ボイジャー1号、太陽圏脱出を確認 恒星間空間を航行中

NASAの探査船「ボイジャー1号」が太陽圏を昨年8月に脱出したことが確認された。恒星間空間に到達した初の人工物となる。

[ITmedia]

 米航空宇宙局(NASA)は9月12日(現地時間)、1977年に打ち上げた探査船「ボイジャー1号」が太陽圏(heliosphere)を昨年8月に脱出したことを確認したと発表した。恒星間空間に到達した初の人工物となる。

photo 太陽圏を脱出したボイジャー1号のイラスト=NASA

 ボイジャー1号は2004年、太陽風が星間物質との相互作用で減速する「末端衝撃波面」を通過。現在は地球から190億キロの地点を秒速約17キロで航行している。

 アイオワ大学の研究チームがデータを調べたところ、ボイジャー1号周辺のプラズマ密度は、太陽圏の外側の層で検知した密度の40倍に上っていた。太陽風と星間物質が混ざり合う「ヘリオポーズ」を脱し、恒星間空間に到達したと考えられるという。

 ボイジャー計画の科学者であるエドワード・ストーン元JPL所長は、分析結果について「これは恒星間空間への人類の歴史的跳躍だと信じている」と述べている。研究結果は米科学誌「Science」に掲載された。

 データの分析から、ボイジャー1号が恒星間空間に到達したのは2012年8月25日だったと特定した。太陽から183億キロの距離だった。

photo 太陽圏(青い部分)を脱出したと考えられる1号と、太陽圏内を航行中の2号=NASAのイラスト

 ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げられ、1979年に最接近した木星表面の鮮明な写真を送信するなど、ボイジャー2号とともにさまざまなデータを送った。1990年2月14日、最後の写真として撮影された「太陽系の家族写真」には6惑星が写っている。

photo 太陽系の家族写真

 原子力電池で動作しているが、NASAによると2020年ごろから限界に達し始め、科学的観測機器を1つずつオフにする作業を開始する。最後の観測機器は25年ごろまで動作し、工学的データはさらにその後数年は取得できると考えられている。

 ボイジャー2号は1号より34億キロ太陽に近い位置を航行中で、まだ太陽圏を脱していないと考えられている。

 ボイジャー1号はへびつかい座の方向に向かって航行しており、約3万8000年後には1.7光年の位置にあるこぐま座の星に近づくという。

 NASAによると、ボイジャー1号と2号にかかったコストは9月の時点で約9億8800万ドルだという。

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