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» 2013年10月18日 18時43分 UPDATE

楽天が買収した“動画のWikipedia”「Viki」とは ユーザーが字幕投稿、即座に世界配信 三木谷社長「これは革命」 (1/2)

楽天が買収したVikiは、テレビドラマなどの動画にユーザーが字幕を付け、世界に配信するサービスだ。Vikiの仕組みは「革命だ」と、三木谷浩史社長は話す。

[岡田有花,ITmedia]

 「使ってみた瞬間、これは革命だと思った」――楽天の三木谷浩史社長は10月18日、9月に買収を発表したストリーミング動画配信サービス「Viki」について、コンテンツ事業者向け説明会を都内で開いた。

 Vikiは、著作権処理済みの動画にユーザーが字幕を付け、世界に配信するサービスで、楽天との連携を通じ、日本のコンテンツの世界配信を拡大する計画だ。楽天はVikiを、カナダKoboが運営する電子書籍配信サービスと並ぶグローバルなコンテンツ事業として育てていく。

画像 三木谷社長

ユーザー字幕で世界に配信 「動画が囲い込まれるのはもったいない」

 Vikiは、「いろいろな国のローカルコンテンツを、ソーシャルな力を使って一気に世界展開する」(三木谷社長)サービス。コンテンツパートナーから調達した著作権処理済みの動画に、ユーザーが字幕を投稿し、世界中に公開している。


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画像 Vikiのラズミッグ・ホバギミアンCEO

 英BBCやテレビ朝日などテレビ局、ポニーキャニオンといった音楽レーベルなど80以上のパートナー企業から提供を受け、ドラマやミュージックビデオ、映画などプロ製作の動画を1万7000時間分以上を公開。「85%がハリウッド以外のもの」だと、来日したVikiのCEOのラズミッグ・ホバギミアン氏は言う。

 Vikiの年間視聴時間は10億時間以上、月間アクティブユーザー数は2400万近くで、1カ月に100万人増えており、「3億ユーザーを目指す」とホバギミアン氏の鼻息は荒い。

 動画の85%が字幕付きで視聴されている。翻訳はユーザーコミュニティ内で行われており、これまで翻訳に携わったユーザーの数は1万人、累計翻訳ワード数は4億語以上。人気の動画では、公開してから48時間で70もの言語に翻訳された例もあるという。

 日本のコンテンツの配信も行っている。テレビ朝日と東映が制作したドラマ「白魔女学園」は、Vikiを通じて日本を除く世界に配信したところ、72時間で20言語以上に翻訳され、1週間で100カ国以上のユーザーに計数百万回視聴されたという。

 Vikiのβ版オープンは2010年10月。ホバギミアン氏がスタンフォード大学ビジネススクール在学中に、言語学の研究の一環として開発した。同12月に法人化し、現在はシンガポール、サンフランシスコ、ソウル、東京にオフィスを構えている。従業員数は55人。

 Vikiという名称には、「Wikipedia for Video」という意味がこめられている。「動画が囲い込まれるのはもったいない。Vikiならいろいろな国の字幕が付いて配信され、言語の障害を超えてリーチを広げられる」と、来日したホバギミアンCEOは、集まったコンテンツ事業者にアピールする。

ユーザー自治で進む翻訳 SNS的仕組みも

 ユーザーはそれぞれマイページを持ち、翻訳したプロジェクトやお気に入りの動画を紹介したり、メッセージをやりとりするSNS的仕組みも備えている。

 テレビ番組名やアーティストなどごとに「チャンネル」と呼ばれるユーザーコミュニティーがあり、コミュニティー内で翻訳の相談や、番組やアーティストに対する感想のやりとりなどが行われている。

 各チャンネルは「mixiコミュニティ」のようなイメージで、それぞれ責任者となる「チャネルマネージャー」、マネージャーを補佐する「モデレーター」が自主的に運営。翻訳したい番組のファンを集め、コンテンツを調達するよう運営側に提案したり、映像に適した翻訳者をユーザーの中から募集するといったことも、ユーザーが自ら行う。

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