ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

公衆無線LANサービス「Wi2 300」、店舗向けWi-Fiスポット導入を強化 外部IDと連携しデータ活用

» 2013年10月21日 16時00分 公開
[山崎春奈,ITmedia]

 KDDI子会社で公衆無線LANサービス「Wi2 300」を運営するワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)は10月21日、現在の事業概要と今後の戦略を発表した。来店者・来場者向けにWi-Fiスポットを設置し、ログイン時に取得した会員情報を活用する法人向けサービスの需要が高まっているという。

photo 「Wi2」社の事業概要

 「Wi2 300」は、空港や駅、バスなどの交通機関、カフェや飲食店など全国に設置された無線LANスポットを月単位や時間単位で利用できるサービス。KDDIグループとしてauユーザー向けの「au Wi-Fi SPOT」の設備構築も行っており、Wi2独自設備と合わせて全国20万以上のアクセスポイントを運営している。

 対応エリアの特徴の1つは交通機関。空港や駅などの主要スポットだけでなく、名鉄バスと京王バスではほぼ100%の車体に導入するなど、一部の路線やバス車内では移動中もカバーする。

 法人向けには、スターバックスやローソンなど大手を含む店舗向け無線LANサービスを運営。来客を促進するポイントとして訴求できるほか、利用時に会員登録を必須にしたり、ローソンの場合「Ponta」など既存の会員IDと連携させることで、販促やマーケティングに活用しやすいデータも集められるとして需要が高まっているという。

 商品企画本部の西野仁部長は「『Wi-Fiスポットを設置したい、店舗側にもメリットのある形はないか』という要望をいただく機会が増えてきた。店舗とユーザーそれぞれの多様化するニーズを満たしながら、どちらにもメリットのある“B to B to C”サービスの提供に注力していきたい」とした。

photo 商品企画本部 西野仁部長

 西野部長は、公衆無線LANサービスが注目されている理由として、「携帯電話帯のトラフィックがひっ迫しているため回避策としてキャリアが取り組む必要がある技術面と、動画など閲覧コンテンツのリッチ化、スマートフォンを中心にタブレットや電子書籍端末などLANケーブルがないデバイスの増加」を挙げる。また、2020年に開催が決定した東京オリンピックを引き合いに出しながら、「海外から観光で日本を訪れたお客様への需要はますます増えるはず」と外国人向けサービスの強化にも意欲を見せた。

 端末で見るとPCからの利用がいまだ一番多いものの、スマートフォンの比率は年々上がっているという。「OSによってはWi-Fiが切れると電波を探してしまい、充電の減りが早くなる問題があったが多くは改善されつつある。この数年でWi-Fiの日常的な使用はかなり一般的になった。この傾向はさらに続くのでは」と見解を示した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.