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» 2013年10月28日 11時26分 UPDATE

アニメでも実写でもない、スマホ向け“見るマンガ”――新たな映像化のかたち「Beeマンガ」 (1/2)

マンガ原作の絵柄やコマ割りをそのまま生かし、キャラクターの声を吹き込んだ新しい映像化の形、“見るマンガ”。NTTドコモのスマートフォン向け動画配信サービス「dビデオ」内の1メニュー「Beeマンガ」に迫る。

[山崎春奈,ITmedia]

 9月、都内のアフレコスタジオ。10人ほどの声優が入れ替わり立ち代わりマイクの前に立ち、テンポよくかけあいながらキャラクターの声を吹き込んでいく。アニメの収録現場のようだが、モニターに映像は映っていない。よく見ると、演者が手に持っているのはマンガ「闇金ウシジマくん」。改めてブース内に響く声を聞くと、マンガのセリフを一字一句違わずそのまま読んでいる。

photo 収録風景。声優陣が手に持っているのは台本ではなくマンガのコピー
photo スタッフも単行本にふせんを貼りながら指示を出す

 ――ここで制作しているのはアニメや映画ではなく、原作の絵柄やコマ割りをそのまま利用し、プロの声優によるキャラクターボイスをはじめとしたサウンドエフェクトを加え、短い映像にした“見るマンガ”、「Beeマンガ」だ。

映像配信サービスなのにマンガ?

photo マンガのタイトルが並ぶ

 「Beeマンガ」は、月額の定額料金を支払うと、国内外の映画やドラマ、バラエティ番組やトーク番組までさまざまなジャンルの番組を無制限に閲覧できるNTTドコモのスマートフォン向け動画配信サービス「dビデオ powered by BeeTV」内の1メニュー。従来Android版のみだったが、iPhoneの取り扱い開始に合わせて10月10日からiOS向けのサービスも開始した。「闇金ウシジマくん」に「GTO」「カイジ」、「今日、恋をはじめます」や「主に泣いてます」など、まるで電子書籍サイトのようにマンガのタイトルがズラリと並ぶ。有名映画や人気俳優の出演するドラマに並んで、週間ランキングでも上位常連の人気コンテンツだ。

 「なぜ、動画配信サービスにマンガが?」――最初は違和感すらある「見るマンガ」というスタイルは「スキマ時間の新しい楽しみ方を追求した結果」と、運営を担当するエイベックス通信放送の森下正樹 編成部課長は言う。

 人気の理由は「手軽さ」。原作の1話分を、コマを追いかけるようなカメラワークで、セリフを音声で聞きながら10〜15分程度の映像として視聴できる。「フィーチャーフォン時代から映像コンテンツを提供する中で、短い尺で楽しめる簡略化したコンテンツのニーズを感じていた。『ページをめくる必要すらない』ところまでやってみたらどうなるだろう、というチャレンジだった」(森下課長)

「旬」と「懐かしさ」で心をつかむ

 男女向けにそれぞれ3、4作品を常時配信し、過去配信分もさかのぼることができる。すでに更新を終了している作品も一定期間は全話閲覧でき、現在アクセスできるのは12作品、875話に上る(9月時点)。男性向けには「闇金ウシジマくん」「ビー・バップ・ハイスクール」「グラップラー刃牙」など「ストレス発散になる爽快感があるもの」(森下課長)、女性向けには「今日、恋をはじめます」「近キョリ恋愛」など「日常では味わえないドキドキがあるもの」が人気を集めやすいという。

 作品数はあえて絞り、ユーザーの反応を細かく分析。作品選びで重視しているポイントの1つは「旬」。実写映画化やドラマ化を控えた話題の作品を投入することでタイトルで興味を喚起し、プロモーションにも結びつく相乗効果を狙う。また、スマートフォンに乗り換える40代以上が増え、以前は20〜30代が中心だった読者層の年齢が上がっていることにも注目。「見覚えがあり懐かしいが手元には持っていない、クリックしたくなるタイトル」をラインナップする。

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