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» 2013年11月11日 12時08分 UPDATE

IT百景:「いじめみたい……」 SNSで部下のミスを“晒す”上司

部下の失敗をFacebookに晒し、仲間と笑いあう上司。「まるで“いじめ”みたい」と部下は悩む。

[ITmedia]
画像 ※画像はイメージです

 「まるで“いじめ”みたいで……」――会社員の吉松さとみさん(仮名)はため息をつく。会社の上司や先輩の投稿を見ているうちに、Facebookがつらくなってきたという。吉松さんを悩ませているのは、部下や後輩の失敗を“晒す”先輩や上司たちの投稿だ。

 吉松さん自身の失敗をさらされることもあるし、友人の失敗があげつらわれているのを見るのもつらい。「おもしろおかしいネタとして投稿していて、悪気はないようなんですが……」

部下の失敗を晒す上司 「いいね!」や“ヨイショ”コメントも

 吉松さんが困っているのは、このような投稿だ。

画像 実例を基に編集部で創作した“晒し投稿”のイメージ

 「後輩の作ってきた資料、LとRが全部逆だったw」「打ち合わせに遅れてきた部下の言い訳がダメすぎ。まだまだ修行が足りん。きっちりシメてやりましたよ!」「きょう締め切りの資料を出さずに合コンに行った後輩ありえないwww そんなんで彼女できるわけないしwww」――

 部下や後輩のちょっとした失敗を面白おかしくあげつらったり、それに対する自らの指導を“プチ自慢”したり。先輩の友人や同期から、「ひどい後輩www」「笑えるw」「指導たいへんですね。うちのダメ部下もシメてやってください!」など、同意や“ヨイショ”のコメントが多く付くという。

 こういった話は、上司同士、先輩同士の雑談にはありがちな内容かもしれない。ただ問題なのは、これらの投稿が、失敗をした本人やその同僚、取引先などにも見られる状態で公開されていることだ。

「全員に嘲笑されているような気がして」

 吉松さんのFacebookフィードには先日、自分の失敗を笑う投稿が流れてきた。吉松さんの失敗談に次々に「いいね!」が付き、“ヨイショ”コメントが付く。「全員に嘲笑されているような気がしてつらかった」と吉松さんは振り返る。

 吉松さんは自らの失敗を反省しているし、なぜ失敗してしまったのか、それなりの言い分もある。ただ、投稿した相手は直属の上司という逆らえない相手でもあり、「失敗した自分が悪い」という弱みもある。「上司と仲が悪いわけではなくて、関係を悪化させたいわけでもないんです。だから、はっきりイヤですとも言いづらくて」――吉松さんは戸惑う。

 同僚が同じような“晒し”被害にあっているのを見ることも多いという。「まるでいじめのようだ」と憤慨するものの、同僚の失敗を肴に盛り上がっている先輩たちの目の前で、後輩である自分が「よくないと思います」などと言うのも気が引ける。「部下の失敗を指摘したいなら本人に直接言えばいいのに。なんでネットで晒して、みんなで笑いものにするんだろう……」――そう思いながら悶々とする日々だ。

 投稿した上司に悪気はないようで、日常の投稿の一環だったり、自分の指導不足への自虐を含めた“ネタ”だと思っているようだ。また、公の場で失敗を指摘することで、本人の“更正”を支援したいという教育的な意図もあるのかもしれない。ただ、上司にとっては“ネタ”でも、晒された部下は深く傷ついていることもある。

 こうした上司の投稿は一括で非表示にするといった自衛策もあるが、根本的な解決とは言えない。「友達」感覚の上司になんと言えば考えを改めてくれるのか……。吉松さんは悩んでいる。

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