ITmedia NEWS > 科学・テクノロジー >

すばる望遠鏡の新カメラ、アイソン彗星の長い尾をとらえる

» 2013年11月20日 20時00分 公開
[ITmedia]

 国立天文台は、すばる望遠鏡(ハワイ・マウナケア山頂)の新カメラがとらえたアイソン彗星の写真を公開した。満月の見かけの直径の2倍以上(1度角以上)も延びている様子が鮮明に写っている。

photo 画像の上が北、左が東で、視野の直径が1.5度角。HSC Project / 国立天文台

 11月5日、地球から約1.7億キロ・太陽から約1.3億キロの距離にあるところを撮影した。使われたのは超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam」(HSC)で、観測波長は760ナノメートル(iバンド)。HSCによる、日周運動とは異なる動きをする天体の追尾性能試験が狙いだった。

 HSCはCCD116枚・合計8億7000万画素という「世界最強の巨大デジタルカメラ」で、満月9個分の広さの天域を一度に撮影可能な超高性能カメラだ。CCDセンサーは浜松ホトニクス、補正光学系はキヤノン、主焦点ユニットは三菱電機が担当した。

 アイソン彗星は11月29日に近日点を通過。近日点距離は約190万キロと、太陽に極端に近い軌道をとっており、近日点通過後も彗星本体がそのままの姿でいられるかどうかは現時点では分からない。観測は夜明けの東の空を双眼鏡で。詳細は国立天文台のWebサイトから

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.