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» 2014年01月29日 17時18分 UPDATE

過疎化・高齢化にITの力で立ち向かう 徳島発・地域活性化ベンチャー「あわえ」 (1/2)

徳島県美波町を拠点に、ITを使った地域活性に取り組むベンチャー「あわえ」が、地域の文化や資料のデジタル化、企業誘致の促進などの事業構想を発表。先駆者として「地方で起業すると採用面でもメリット」といったリアルな声を語った。

[山崎春奈,ITmedia]

 過疎化・高齢化が進む徳島県美波町で地域活性に取り組むベンチャー企業あわえが1月29日、事業構想を発表した。写真や歴史資料のデジタル化やネットでの口コミを狙った地域産品のブランディングなど、地域の価値や魅力をITの力で伸ばし、発信することを目指す。成功事例やノウハウを重ね、日本全国、そして世界へ広げていければと話す。

photo サイファー・テックのサテライトオフィス「美波Lab」の様子

 あわえは、サイファー・テックの吉田基晴社長が昨年6月に立ち上げたベンチャー企業。社長が生まれ育った徳島・美波町を拠点に地域活性を推進する事業を行っている。創業のきっかけは、東京での生活に「味気なく、リアリティがない」と感じていた吉田社長が社員のクリエイティビティを刺激する場所として、豊かな自然や歴史を感じる同町にサテライトオフィス「美波Lab」を開いたこと。趣味と仕事を併存させる働き方をとり、地域の住民と生活・交流する中で、地方都市が抱える課題が見えてきたという。

 ITの力を通して過疎化・高齢化の進む町の課題を解決することを目指し、文化や伝統を示す「コト」、地域コミュニティを活性化のための「ヒト」、産業を興す「カネ」の3つの側面から取り組んでいく。

photo 海辺の町ならではのお祭の映像も

 地元のボランティアガイドに計3台のタブレットを支給し、観光ガイドに役立てる支援が昨年10月から始まった。四季折々の変化やウミガメの産卵などの貴重なシーンをクラウドストレージに格納し、口頭で説明しながら写真や映像を見せられるようになった。地元住民によるボランティアガイドの多くは高齢者で、初めてタブレットに触る人も多かったが、同社のサポートを受けながら操作法を学び、今はフル活用。「英語版の音声がほしい」「手話付きの映像がほしい」など現場から積極的に要望が挙がっているという。今後はアプリ開発も見込み、必要な機能をブラッシュアップしていく。

 今春リリース予定の「GOEN」は文化的・歴史的に価値の高い写真や資料をデジタル化して保存・活用するクラウドフォトストックサービス。同社社員が美波町へ移住する際、物件探しで空き家を巡っている時に古い写真が多く出てきたことが開発のきっかけだという。

 自治体や任意の団体が収集しているものだけでなく、個人で所蔵しているものも当時の町並みや実際の生活を知ることができる貴重な資料として収集し、クラウドサーバー上で一括管理する。地震や津波などの災害時のバックアップとしても有益だ。

photo 「GOEN」の利用イメージ

 集めた資料は、対象にまつわるエピソードや所有者へのインタビューと共に保存することでより資料としての情報量を増やし、観光・研究向けに提供するなどの利活用も見込む。今春美波町で試験導入し、夏からは全国の各地方自治体や法人に導入を働きかけていく。

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