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中世第一級の史料群・国宝「東寺百合文書」デジタル版ネット公開

» 2014年03月03日 19時30分 公開
[ITmedia]
photo 後醍醐天皇の綸旨。紙の質感や墨のかすれ具合なども分かるほど高精細

 京都府立総合資料館は3月3日、同館所蔵の国宝「東寺百合文書」(とうじひゃくごうもんじょ)のデジタル版を専用サイト「東寺百合文書WEB」で公開した。中世の実情を伝える第一級の史料群をネットで自由に閲覧できる。

 同文書は東寺(教王護国寺)の宝蔵に伝えられたもので、奈良時代から江戸時代初期まで約1000年にわたる2万5000通の文書群。寺院運営に関連する会議録や所領をめぐる裁判など多岐にわたっており、1997年に国宝に指定された。

 1967年に京都府が文化財保護を目的に購入しており、現在は同館が凸版印刷に業務委託してデジタル画像化に取り組んでいる。

 サイトでは検索機能などを使って文書の閲覧が可能。画像は文書の墨の色や紙の質感まで分かる高精細なもので、コラム形式の解説文や文書の読み方なども添えた。

 サイトに掲載している全コンテンツはクリエイティブ・コモンズライセンス(表示 2.1 日本 ライセンス)で公開。複製・再配布や翻案が可能だ。コンテンツを使って作成された書籍や論文、テレビ番組などの提供も呼び掛けている。

 まず4万4000点を公開し、4月下旬までに全画像約8万点を公開する予定。スマートフォン版も用意する。

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