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「STAP細胞の分析、第三者に依頼する」 共著者の若山教授「科学的真実知りたい」 大学サイトで声明

» 2014年03月10日 21時09分 公開
[ITmedia]
画像 山梨大学のWebサイトより

 理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーなどの研究グループが英科学誌「Nature」に発表した新型万能細胞「STAP細胞」の論文に不自然な点が相次いで指摘されている問題で、論文の共著者の1人で、山梨大学生命環境学部の若山照彦教授は、共著者から提供を受けて所有しているSTAP細胞を公的な第三者研究機関に提供し、詳細な分析を依頼すると同大のWebサイトで発表した。「科学的真実を知りたい」としている。

 STAP細胞は簡単に作成できる新型万能細胞と期待されたが、現時点では他の研究者による再現実験は成功しておらず、論文にも不自然な点が相次いで指摘されている。

 若山教授は「私が担当した部分(共著者より提供された細胞からのキメラマウスの作製、及び幹細胞の樹立)については、自信を持って適正に実験がなされたと言い切れますし、共著者の結果についても信頼してきました」と訴える。

 ただ、論文についてさまざまな疑問点が指摘されていることを受け、「STAP細胞について科学的真実を知りたい」とし、共著者から提供を受け、若山教授がキメラマウスの作成実験に用いたSTAP細胞を公的な第三者機関に提供し、詳細な生化学的分析を依頼することを決めたという。分析結果は速やかに公表するとしている。

 NHKの報道によると、若山教授は10日、「研究データに重大な問題が見つかり、STAP細胞が存在するのか確信がなくなった」とし、論文の取り下げに同意するようほかの著者に呼びかけたことを明らかにしたという。

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