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「goo」のNTTレゾナント創業10周年 データ連携/分析とグローバル展開に注力、「1000億円規模目指す」

» 2014年04月22日 19時53分 公開
[山崎春奈,ITmedia]

 インターネットポータルサイト「goo」や、Q&Aサイト「教えて!goo」を運営するNTTレゾナントが創業10周年を迎えた。ユーザーのサービス横断利用の促進や、データ分析を活用したコンテンツ・広告のマッチング技術の高度化に取り組みたいという。世界100カ国以上で使われているスマホアプリ開発支援ツールのグローバル展開も積極的に進めていく。

photo 「教えて!goo」を中心としたサービス連携イメージ

 コンシューマー向けの今後の事業展開では、最も利用者の多い「教えて!goo」を中心にサービス連携やデータ分析に力を入れる。若井昌宏社長は「Q&Aにアクセスしているユーザーはその事柄に強い関心があって見ているが、ポータルサイト内に近い情報があってもこれまで積極的に誘導できていなかった」と振り返る。

 質問の検索や閲覧のログ、ユーザーの属性データなどをもとに、興味関心と合致する記事や広告をレコメンドする技術の精度を高めることで、他サービスへの回遊を促進する狙い。若井社長は「広告ターゲッティングへのユーザーデータ活用はデリケートな部分もあるが、有用な情報として喜んでもらえるよう努力を重ねたい。広告主の意向だけでなく、ユーザーの声も積極的に傾聴していく」と慎重に取り組む考えだ。

 検索結果の表示も刷新し、Twitter情報や一般ニュース、関連テレビ番組などの表示順を年代や時間帯によって変化させ、よりニーズにあった情報を手に入れやすくするという。Webサービスやコンテンツを利用してポイントをためる「gooポイント」も6月に開始し、横断利用を促す。

 法人向け領域では、グローバル展開の加速を大きなテーマに掲げる。2012年11月に提供を始めたスマートフォン端末のリモート検証を行うクラウドサービス「Developers AppKitBox」をはじめ、スマートフォン/タブレットだけでなく、ウェアラブルデバイスなども含めた「スマートデバイス」への活用を見据えて展開していきたいという。

photo 同日リリースされたブラウザ版「Developers AppKitBox」

 「Developers AppKitBox」の主要機能の1つが、Webサイトやアプリの操作検証をリモートで行う「Remote TestKit」。同社のデータセンターに並ぶ200機種以上の実機にソフトウェアやブラウザからクラウド経由でアクセスし、任意のプログラムを動かしたりURLを表示して操作や表示を確認できる。現在全世界で5000アカウント以上が開設され、北米やアジアなど100カ国以上で利用されているという。スマートフォン市場の広がりに応じてニーズも高まっており、今後成長を加速させたいと意気込む。

photo 若井昌宏社長

 若井昌宏社長は「PCや携帯電話をはじめ、創業時から世の中は大きく変化しており、今後10年で何が起こるかを正確に予想できる人は誰もいないと思う。世の中の状況を見ながら、常に半歩先取りするイメージでチャレンジしていきたい。10年後には現在の3倍程度、1000億円ほどの事業規模となることを目指し、NTTグループ各社とシナジーを生むことを意識して攻めていく」と話している。

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