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» 2014年05月30日 15時32分 UPDATE

「2.5次元ミュージカル」世界へ 漫画・アニメ原作舞台を「世界標準のエンタメに」 (1/2)

漫画・アニメを原作にした「2.5次元ミュージカル」の世界展開を目指す業界団体が発足。世界でファンを抱える日本産コンテンツを強みに、世界で上演されるブロードウェイミュージカルのように「日本発の世界標準エンターテインメント」を目指している。

[山崎春奈,ITmedia]

 海外でも人気の日本発漫画・アニメを原作にしたミュージカル「2.5次元ミュージカル」を世界に広げようという動きが始まっている。目指すは「欧米のミュージカルに匹敵する、日本発の世界標準エンターテインメント」。このほど、制作会社やコンテンツ関連企業が参加する団体も発足。国内の盛り上げに加え、海外展開にも業界でチャレンジしていく。

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 「2.5次元ミュージカル」は、漫画・アニメを原作とするミュージカル。「2次元」の漫画・アニメと「3次元」のリアル舞台の中間として、ファンから自然発生的に名付けられたという。「美少女戦士セーラームーン」や「テニスの王子様」などがよく知られている。

 5月29日夜、「日本2.5次元ミュージカル協会」が設立趣旨や今後の展開を説明するセミナーを都内で開催した。同団体は3月の「AnimeJapan 2014」で設立を発表。国内での普及・発展や積極的な海外展開にジャンル全体で取り組むのが目的だ。代表理事は「テニスの王子様」「美少女戦士セーラームーン」などの舞台を制作するネルケプランニングの松田誠社長が務め、理事にはホリプロの堀義貴社長、マーベラスAQLの中山晴喜会長らが名を連ねる。

女性人気が高い2.5次元ミュージカル

 2.5次元ミュージカルの歴史は、宝塚歌劇団による「ベルサイユのばら」(1974年)にさかのぼる。セーラームーンやテニスの王子様のほか、「魔法使いサリー」「姫ちゃんのリボン」「NARUTO」「忍たま乱太郎」「薄桜鬼」「弱虫ペダル」──など、ジャンルを問わず多くの作品が舞台化。2000年代後半から急速に拡大しており、昨年の上演タイトルは約70タイトルに上り、延べ160万人超を動員した。

photo 観客動員数と上演タイトルの推移

 既存の演劇ジャンルと比べ、(1)人気作品をフックとして普段劇場や舞台に足を運ばない人が訪れている、(2)物販の売り上げが多い、(3)パッケージ販売やパブリックビューイングなど映像としての2次利用が盛ん、(4)キャラクターやストーリーの引きが強く、出演俳優の知名度に左右されるスターシステムと異なる――などが挙げられるという。

 舞台化する原作について、マーベラスAQLの中山会長は(1)女性人気が高いこと、(2)出演キャラクターが多く、それぞれに個性がありファンがつきやすいこと──などを挙げるように、現在の観劇者の多くは女性。「男性向けのものに以前挑戦したが、難しいところも多かった。2時間で6000円払って何も残らないのは寂しいと言われてしまうと……」。

 実際の舞台で上演するライブコンテンツという性質上、デジタルデータでコピーされにくいのも大きな特徴だ。昨夏に上演した「美少女戦士セーラームーン」は観客の2〜3割を外国人が占め、観劇のために来日した人も見られたなど、海外からの観光客流入も期待できるのではとする。映像作品としてパッケージ販売もする以上、ネットに転載されてしまうのは完全に防ぐことは難しいが、「数字では分からないが、『ネットで見て気になって本物を見に来ました』という層も多いと思う」(松田代表理事)という。

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